サマリー
9月14日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前週末比518円35銭(-0.81%)安の63,492円99銭で取引を終えた。7月30日以来およそ1カ月半ぶりの安値水準となった。
米オープンAIのサム・アルトマンCEOが2026年内の新規株式公開(IPO)を見送る考えを示したと伝わり、同社に出資するソフトバンクグループ(SBG)が急落。
あわせて米アンソロピックのCEOが最先端のAI開発を減速すべきだと呼びかけ、賛同が相次いだとの報道も伝わり、AI関連市場の急成長期待が後退した。人工知能(AI)関連株が軒並み下げ、日経平均は下げ幅を1,200円あまりに広げ、取引時間中としては8月4日以来およそ1カ月半ぶりに心理的な節目の63,000円台を割り込み、一時62,726.18円まで下落する場面もあった。
米国の利上げ観測や中東情勢の悪化に対する警戒とも重なり「三重苦」の様相となった。その後は急ピッチの下げに対する反動から押し目買いが入り、今週に予定される日米中央銀行の金融政策決定会合の行方を見極めたいとの思惑もあって次第に様子見ムードが強まり、63,500円前後でこう着感を強めた。
主要指数(9月14日終値)
| 指数 | 終値 | 前週末比 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 63,492.99円 | -518.35円(-0.81%) |
- 始値:63,659.53円(-351.81円)
- 日中安値:62,726.18円(8月4日以来、約1カ月半ぶりに63,000円割れ)
- 前引け:63,498.61円(-512.73円、-0.80%)
- 東証プライム市場の出来高:概算19億7,000万株
- 東証プライム市場の値上がり銘柄比率:78%超
「三重苦」の内訳:AI開発鈍化懸念・米利上げ観測・中東情勢悪化
AI開発鈍化懸念
米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が、新規株式公開(IPO)について「2026年はしない」と述べたと伝わった。また、米アンソロピックのCEOが最先端のAI開発を減速すべきだと呼びかけ、賛同が相次いだとの報道もあり、AI関連市場の急成長期待が後退。オープンAIに出資するソフトバンクグループやアドバンテストなど関連銘柄が売られた。ソフトバンクグループは一時13%安まで下落する場面があった。
原油高・中東情勢
米原油先物相場の高止まりも売りを促した。サウジアラビアのエネルギー省は11日、ペルシャ湾から紅海に原油を輸送するパイプラインが複数の地域で攻撃を受け、操業を一時停止したと発表した。オマーン外務省は13日、ホルムズ海峡の通航管理を巡るイランとの会合延期を明らかにした。マリン・ストラテジーズの香川睦グローバルストラテジストは「米原油高や日米利上げ観測、財政悪化による金利上昇懸念など悪い材料が目に付き、株を手掛けづらい状況」と話している。
前週末の米国市場
前週末11日の米国市場では、消費者物価指数(CPI)がインフレ加速の証拠となり早期利上げ観測が強まったものの、原油価格の反落で安心感が台頭し、寄り付き後上昇。ダウ工業株30種平均は509.19ドル高の52,573.29ドル、ナスダック総合は251.31ポイント高の26,333.04で取引を終えていた。この米国株高が14日の東京市場では支えとなる場面もあったが、指数寄与度の大きい値がさ株に売りが集中し、寄り付きから下げて始まった。
日経平均への影響:値上がり銘柄が目立つも指数は下落
東証プライムの値上がり銘柄比率は78%を超え、幅広い銘柄に買い戻しの動きが広がった。もっとも、指数寄与度の大きいAI・半導体関連の値がさ株への売りが集中したため、日経平均自体は下落する結果となった。個別の押し下げ・押し上げ状況(前場時点)は次の通り。
押し上げ(前場時点で上昇した主な銘柄)
リクルートホールディングス(6098)、ファーストリテイリング(9983)、コナミグループ(9766)、バンダイナムコホールディングス(7832)、ソニーグループ(6758)、KDDI(9433)、東京海上ホールディングス(8766)、ベイカレント(6532)、伊藤忠商事(8001)、テルモ(4543)、三井物産(8031)、トレンドマイクロ(4704)、野村総合研究所(4307)、日東電工(6988)、セコム(9735)など。
押し下げ(前場時点で下落した主な銘柄)
ソフトバンクグループ(9984)、アドバンテスト(6857)、キオクシアホールディングス(285A)、イビデン(4062)、東京エレクトロン(8035)、フジクラ(5803)、村田製作所(6981)、太陽誘電(6976)など。
前場(前引け)時点で、ソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄だけで日経平均を約736円押し下げていた。
※日経平均寄与度の大引け(終値)確定ランキングは本レポート作成時点で確認できておらず、前場(前引け)時点の情報を参考として記載している。
業種別動向
後場寄付時点の業種別騰落ランキングでは、上昇トップがサービス業、下落トップが非鉄金属だった。
東証グロース市場
前引け時点の東証グロース市場は値上がり優勢の展開となり、モイが一時ストップ高となった。
テーマ株
注目テーマランキングでは「サイバーセキュリティ」が13位にランクインし、上半期のランサムウェア被害が123件と過去最多となったことが材料視された。
検索急増ランキング
この日の検索急増ランキング1位はソフトバンクグループ(SBG)だった。
為替市場
外国為替市場でドル円は下げ渋る展開となり、市場では原油相場の動向が注視されている。
来週にかけての注目点
今週に予定される日米中央銀行の金融政策決定会合の行方が、当面の相場を左右する最大の材料となる。AI関連市場の急成長期待の後退がどこまで長引くか、ソフトバンクグループなどAI関連株への売りが一巡するかどうかも焦点となる。中東情勢の緊迫化に伴う原油高の持続性、米国の利上げ観測の強弱も引き続き注視が必要だ。
本レポートは2026年9月14日時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。



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