サマリー
9月3日(木)のニューヨーク株式市場は主要3指数がそろって大幅続伸し、いずれも1%を超える上昇となった。FRBのクリストファー・ウォラー理事が、今後の物価指標でインフレ圧力の緩和が確認されれば9月FOMCでの金利据え置きを支持し得るとの考えを示したことで、年内の利上げ観測が急速に後退。米長期金利が低下し、リスク資産への投資心理が大きく改善した。エヌビディアのHugging Face買収正式発表やテスラの自動運転イベントなど、個別の好材料も相場を後押しした。
主要指数(9月3日終値、米国時間)
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 53,686.11ドル | +624.16ドル(+1.18%) |
| S&P500 | 7,747.71 | +81.11(+1.06%) |
| ナスダック総合指数 | 26,584.06 | +366.23(+1.40%) |
- VIX指数:15.38(前日比+0.18、+1.18%)
- SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数):前日2日終値11,339.25(+50.64、+0.45%)
ウォラーFRB理事の発言が相場の流れを一変
この日相場の流れを決定づけたのは、FRBのクリストファー・ウォラー理事の発言だった。同理事は、今後公表される8月の物価指標でインフレ圧力の緩和を示す兆候が確認されれば、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で金利据え置きを支持し得るとの考えを示した。ディスインフレ(インフレ鈍化)の兆しが見え始めているとの発言を受け、年内の利上げ観測が急速に後退。これを受けて米国債利回りが低下し、リスク資産への投資心理が持ち直した。
朝方発表された経済指標はまちまちだった。前週分の新規失業保険申請件数は増加し、7月の貿易赤字は拡大、4〜6月期の単位労働コスト確定値も予想外に下方修正された。もっとも、こうした弱めの指標がむしろ早期の金融緩和期待につながり、株式市場には追い風となった。
セクター動向:自動車・ソフトウエアが上昇、不動産管理・開発は下落
セクター別では自動車・自動車部品、ソフトウエア・サービスが上昇した一方、不動産管理・開発が下落した。
GAFAM(大型ハイテク5社)の動き
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| アップル | AAPL | 328.21ドル | +3.25(+1.00%) |
| マイクロソフト | MSFT | 510.12ドル | +13.30(+2.67%) |
| アルファベット(Class A) | GOOGL | 342.48ドル | +5.36(+1.58%) |
| アルファベット(Class C) | GOOG | 339.08ドル | +5.30(+1.58%) |
| アマゾン・ドット・コム | AMZN | 258.90ドル | +3.92(+1.53%) |
| メタ・プラットフォームズ(Class A) | META | 610.68ドル | +17.83(+3.00%) |
GAFAM5社はそろって大幅高となり、なかでもメタ・プラットフォームズが+3.00%と最も上昇した。メタは新たなAIモデル「ミューズ・スパーク1.3」を発表し、同社最高AI責任者が「AIスタートアップのオープンAIやアンソロピックのモデルに引けを取らない」と自信を示したことが好感された。マイクロソフトも+2.67%と大きく上昇している。利上げ観測後退という全体地合いの改善に加え、各社の個別材料も重なり、GAFAM全体が力強い上昇を見せた一日だった。
指数寄与度:エヌビディア・パランティア・オラクルが軒並み急伸
時価総額ランキングによると、エヌビディア(NVDA)は+1.80%(228.45ドル)となり、オープンAIソースプラットフォームを提供するHugging Faceの買収を正式発表したことがAI強化期待につながった。パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は+7.71%、オラクル(ORCL)は+5.68%とそれぞれ大幅高となり、ソフトウエア・AI関連株全般への資金流入が目立った。テスラ(TSLA)も+5.42%と大幅高で、この日テキサス州オースティンで開催された完全自動運転車両「サイバーキャブ」の招待制イベントへの投資家の期待感が強まったことが材料視された。
一方、ブロードコム(AVGO)は-2.74%と半導体関連の中では数少ない下落銘柄となった。
個別銘柄の動き
- エヌビディア(NVDA):+1.80%、Hugging Face買収を正式発表
- テスラ(TSLA):+5.42%、「サイバーキャブ」招待制イベントへの期待
- メタ・プラットフォームズ(META):+3.00%、新AIモデル「ミューズ・スパーク1.3」発表
- パランティア・テクノロジーズ(PLTR):+7.71%、ソフトウエア・AI関連への資金流入
- オラクル(ORCL):+5.68%、同上
- PVH(PVH):カルバン・クラインやトミー・ヒルフィガーを展開するアパレル大手、第2四半期決算で調整後EPSが予想を上回り小幅高
- ブロードコム(AVGO):-2.74%、半導体関連の中では逆行安
為替市場
年内利上げ観測の後退を受けてドル売りが加速した。日銀関係者の話として、今月の金融政策決定会合での政策金利引き上げが報じられたことや、米国からの利上げペース加速要求の観測、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成見直し報道も、円買いを後押ししたとみられる。ユーロドルは1.1608ドルから1.1641ドルまで上昇し、1.1627ドルで取引を終えた。
来週にかけての注目点
9月のFOMCに向けて、追加のインフレ・雇用指標がFRBの金融政策スタンスにどう影響するかが最大の焦点となる。ウォラー理事のハト派的な発言を受けた市場の楽観がどこまで続くか、そしてエヌビディアのHugging Face買収など相次ぐAI関連M&Aの発展にも引き続き注目したい。
本レポートは2026年9月3日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。



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