日本市場レポート:日経平均が806円高と5日ぶり反発、ソフトバンクG11%高で上げ幅の8割を占める(2026年9月4日)

Daily Market News

サマリー

9月4日の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに大幅反発し、前日比806円46銭(+1.26%)高の65,020円94銭で取引を終えた。終値ベースでは9月1日以来3日ぶりに心理的節目の65,000円台を回復している。前日3日の米国市場でFRBのウォラー理事のハト派発言を受けて年内利上げ観測が後退し、主要3指数がそろって大幅高となったことが好感された。

日本の長期金利も9月1日につけた3.000%から2.890%まで低下し、割引率低下を追い風に成長株が大きく戻す展開となった。一方、外国為替市場で円相場が急伸し一時1ドル=155円25銭近辺まで上昇したことから、トヨタ・ホンダなど自動車株や豊田通商・三菱商事など商社株には売りが出て、相場全体では強弱が分かれた。TOPIX(東証株価指数)は前日比1.19ポイント(+0.03%)高の4,103.23とほぼ横ばいで、日経平均の大幅高とは対照的な値動きとなった。

主要指数(9月4日終値)

指数終値前日終値前日比
日経平均株価65,020.94円64,214.48円+806.46円(+1.26%)
TOPIX4,103.23pt4,102.04pt+1.19pt(+0.03%)
東証グロース市場250指数797.66pt–+21.57pt
  • 始値:64,498.94円/高値:65,182.45円/安値:64,228.47円
  • 東証プライム市場の売買高:22億1,033万株、売買代金:8兆3,282億円(前日7兆5,770億円から増加)
  • 東証プライム市場の値上がり銘柄数:788、値下がり銘柄数:712、変わらず:55
  • 新発10年物国債利回り:2.890%(前日比-0.075%、9月1日につけた3.000%から低下)

米金利観測後退とソフトバンクGの「三重苦」解消

前日3日の米国市場では、FRBのウォラー理事が「今後の物価指標でインフレ緩和が確認されれば9月FOMCで金利据え置きを支持し得る」との考えを示したことで年内の利上げ観測が急速に後退。ダウ工業株30種平均は624.16ドル高の53,686.11ドル(+1.18%)、S&P500は+1.06%、ナスダック総合は+1.40%とそろって大幅高となった。特に傘下の英アーム・ホールディングスが3日の米国市場で3.29%上昇したことが、4日のソフトバンクグループ株にとって直接の材料となった。

金利の低下は、将来の利益を現在価値に割り引く際の割引率を引き下げるため、成長株ほど株価の戻し方が大きくなる。日本国内でも長期金利が9月1日の3.000%から2.890%まで低下し、値がさのハイテク・グロース株にとって追い風となった。

日経平均寄与度:上げ幅806円のうち8割がソフトバンクG・アドバンテストの2銘柄

押し上げ上位

順位銘柄コード株価前日比騰落率寄与度
1ソフトバンクグループ99845,590円+589円+11.78%+473.87
2アドバンテスト685733,090円+810円+2.51%+195.50
3ファーストリテイリング998369,100円+1,100円+1.62%+88.50
4キオクシアホールディングス285A54,460円+2,790円+5.40%+65.47
5イビデン406220,475円+755円+3.83%+50.62
6TDK67622,907.5円+75.0円+2.65%+37.71
7ファナック69545,931円+170円+2.95%+28.49
8村田製作所69817,191円+290円+4.20%+23.33
9フジクラ58035,053円+102円+2.06%+20.52
10太陽誘電69769,426円+569円+6.42%+19.07

ソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄で約669円分(473.87+195.50)を押し上げ、この日の上げ幅806円46銭の8割強を占めた。ファーストリテイリング(+88.50)、キオクシアホールディングス(+65.47)、イビデン(+50.62)も上位に続き、値がさのAI・半導体・電子部品関連が軒並み大きく買われる展開となった。

ソフトバンクグループ1銘柄で日経平均を約473円押し上げ、アドバンテストの約195円50銭を合わせると2銘柄で669円となり、この日の上げ幅806円46銭の実に8割を占めた。日中には一時+11〜12%まで買われる場面もあった。

押し下げ上位(円高を受けた輸出関連株)

順位銘柄コードコメント
1ダイキン工業6367円高を受けて下落
2京セラ6971同上
3アステラス製薬4503同上
4トヨタ自動車7203円急伸で輸出関連として下落
5本田技研工業7267同上
6豊田通商8015商社株として下落
7三菱商事8058同上

外国為替市場で円相場が対ドルで急伸し、朝方には一時1ドル=155円25銭近辺まで上昇して約1カ月ぶりの高値をつけた。日銀の利上げが確実視されるとの見方から円買いが加速し、輸出関連株の重荷となった。

業種別動向:情報通信・証券商品先物・非鉄金属が上位

東証33業種では情報・通信業、証券・商品先物取引業、非鉄金属が上位に並んだ一方、前日まで買われていた鉱業、海運業、電気・ガス業は下落した。前引け時点では証券商品先物、保険業、サービス業、非鉄金属、情報・通信業が値上がり率上位、繊維製品、医薬品、水産・農林業、ゴム製品、精密機器が値下がり率上位に並んでいた。

東証プライム市場:話題株

  • ソフトバンクグループ(9984):前述の通り+11.78%の大幅高
  • 古河電気工業(5801):3,844.0円(+231.0円、+6.39%)、寄与度+7.74で上位に続く
  • 日本取引所グループ(8697):2,239.0円(+95.0円、+4.43%)、寄与度+6.37
  • トレンドマイクロ(4704):6,100円(+348円、+6.05%)、寄与度+11.67
  • ローム(6963):4,865円(+130円、+2.75%)、寄与度+4.36
  • 良品計画(7453):4,238円(+73円、+1.75%)、寄与度+4.89
  • キオクシアホールディングス(285A):+5.40%、底入れからじり高

東証グロース市場:250指数が大きく戻す

東証グロース市場250指数は前日比21.57ポイント(約+2.8%)高の797.66と大きく戻した。前日までの金利上昇による調整局面から一転し、金利低下を好感した買いが新興市場にも波及した。

為替市場

通貨ペアレート備考
ドル円156円30銭台(午後4時台)朝方は一時155円25銭近辺まで上昇

朝方、外国為替市場で円相場は9時過ぎに一時1ドル=155円25銭近辺まで上昇し、約1カ月ぶりの高値を付けた。日銀の利上げが確実視されるとの観測から円買いが加速。その後は155円50銭台まで戻す場面もあり、午後4時台には156円30銭台で推移した。今晩発表される8月の米雇用統計を控え、方向感を探る展開となっている。

テーマ別の資金の流れ

好調な国内企業業績や堅調な世界経済を背景に、AI・半導体関連への長期的な強気姿勢は崩れていないとみられ、前日までの金利上昇による調整局面で売られていた値がさのハイテク・グロース株に押し目買いが集中する形となった。一方で、前日まで資金の受け皿となっていた鉱業・海運・電気ガスなどのバリュー・資源セクターからは資金が流出し、テーマの明確な入れ替わりが見られた一日だった。

経済指標

取引開始前に発表された7月の家計調査では、2人以上世帯の実質消費支出が前年同月比3.6%減少し、市場予想(同1.3%減)を大きく下回る弱い内容だった。もっとも、この日は米利上げ観測後退という外部要因が相場の主導権を握り、国内消費指標の弱さは限定的な影響にとどまった。

来週にかけての注目点

今晩(日本時間9月4日21時30分)に発表される8月の米雇用統計が、来週の相場の起点になるとみられる。日銀の早期利上げ観測を背景とした円高進行が続くかどうか、それに伴う輸出関連株への影響も注視が必要だ。金利低下を受けたグロース株への資金シフトが一時的なものか、持続的なトレンドとなるかも焦点となる。


本レポートは2026年9月4日時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。

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