サマリー
8月21日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日比200円43銭(-0.30%)安の66,016.36円で取引を終えた。前日20日の米国市場で長期金利が再上昇し主要3指数がそろって下落したことに加え、中東情勢の先行き懸念から原油価格が上昇したことが投資家心理を圧迫し、寄り付き直後には一時956円57銭安の65,260.22円まで下落する場面もあった。もっとも、25日移動平均線水準を意識した押し目買いが入り、後場には66,125.88円まで下げ渋る場面もあるなど、終日底堅さも見せた。値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回って推移したこともあり、TOPIX(東証株価指数)は前日比7.56ポイント(+0.19%)高の4,067.29と、日経平均とは対照的にプラスで引けている。
主要指数(8月21日終値)
- 日経平均株価:66,016.36円(前日比-200.43円、-0.30%)
- TOPIX:4,067.29pt(前日比+7.56pt、+0.19%)
- 日中安値:65,260.22円(午前10時6分、下落率では一時-1.44%)
- 日中高値:66,125.88円(後場寄り付き直後)
- 東証プライム市場の売買高:22億859万株、売買代金:7兆9,134億円(前日8兆6,034億円から減少)
- 東証プライム市場の値上がり銘柄比率:56.7%、値下がり比率:39.9%
- 日経平均構成銘柄の騰落数:値上がり135銘柄、値下がり86銘柄、変わらず4銘柄
プライム市場の売買代金は7月29日のピーク(13.1兆円)から減少傾向が続いており、夏枯れ・様子見相場の様相を呈している。
下落の背景:米国の金利再上昇とウォルマート急落の余波
前日20日の米国株式市場では、米財務省による長期国債買い戻し拡大策の効果が一日で剥落し、長期金利が再び上昇に転じたことでNYダウが703.84ドル安の52,759.21ドル、ナスダック総合が263.92ポイント安の26,067.17、S&P500も7,641.16(-0.87%)と、主要3指数がそろって大幅反落していた。米国の財政悪化懸念による金利上昇に加え、トランプ大統領のイランへの強硬発言を受けた原油価格の上昇も、この日の東京市場の投資家心理を萎縮させる要因となった。
また、20日発表のウォルマート決算で既存店売上高の伸びが約6年半ぶりの低水準にとどまったことが嫌気され、個人消費の弱さへの懸念が日本の小売株にもネガティブに波及。ファーストリテイリング〈9983〉が大幅安となるなど、内需・消費関連株の重荷となった。
日経平均寄与度:押し上げ・押し下げ上位銘柄
押し上げ上位(半導体関連が中心)
| 順位 | 銘柄 | コード | コメント |
|---|---|---|---|
| 1 | アドバンテスト | 6857 | 寄与度トップ、1銘柄で約130円押し上げ。前日終値35,900円(+540円) |
| 2 | キオクシアホールディングス | 285A | 半導体メモリ関連として資金流入 |
| 3 | 東京エレクトロン | 8035 | 前日20日の米SOX指数の3日ぶり反発を受けて買い戻し |
| 4 | KDDI | 9433 | 通信株にも見直し買い |
| 5 | TDK | 6762 | 電子部品セクターの一角も堅調 |
| 6 | 伊藤忠商事 | 8001 | 商社株も上昇 |
| 7 | トヨタ自動車 | 7203 | 自動車株の一角も買われる |
半導体製造装置・部品関連が軒並み押し上げ上位に入ったのは、前日の米国市場でSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)が3営業日ぶりに反発したことが東京市場にも波及したためで、8月18日〜20日にかけて続いていた「金利上昇→半導体株売り」の流れが一服した形となった。
押し下げ上位(内需・消費関連が中心)
| 順位 | 銘柄 | コード | コメント |
|---|---|---|---|
| 1 | ファーストリテイリング | 9983 | 寄与度下位トップ。ソフトバンクGと2銘柄で約329円分押し下げ。ウォルマート決算を受けた消費懸念が直撃 |
| 2 | ソフトバンクグループ | 9984 | 前日終値5,255円(-132円、-2.45%) |
| 3 | リクルートホールディングス | 6098 | グロース株の一角に利益確定売り |
| 4 | フジクラ | 5803 | 電線関連に戻り売り |
| 5 | 信越化学工業 | 4063 | 化学セクターの一角も軟調 |
| 6 | ファナック | 6954 | 工作機械関連も上値重い |
| 7 | コナミグループ | 9766 | ゲーム関連の一角に利益確定売り |
業種別動向
東証33業種では海運業、鉱業、石油・石炭製品などが上昇した一方、その他製品、医薬品、精密機器などが下落した。原油高を受けたエネルギー関連(鉱業、石油・石炭製品)や、海運株への資金流入が指数の下支え役となった。個別では三菱商事〈8058〉、三井物産〈8031〉といった資源関連商社、川崎汽船〈9107〉などの海運株、MS&AD〈8725〉、東京海上〈8766〉といった保険株も上昇組に名を連ねた。
一方、良品計画〈7453〉、トレンドマイクロ〈4704〉、テルモ〈4543〉、中外製薬〈4519〉、HOYA〈7741〉、大塚ホールディングス〈4578〉(前日終値12,195円、-405円、-3.21%)、太陽誘電〈6976〉、第一三共〈4568〉、村田製作所〈6981〉などが値下がり銘柄に並んだ。
個別材料株の動き
- 日本甜菜製糖:製糖大手。一時300円高の5,880円まで急伸し、連日で年初来高値を更新。1対3の株式分割と期末一括配当予想の上積みを発表したことが材料視された
- リンテック:急反落し510円安の5,220円。前日20日引け後、主要株主の日本製紙が保有株を売却すると発表したことが悪材料視された
- ブランディングテクノロジー:Web制作・ネット広告手掛ける同社が急騰し260円高の1,290円。スーパーマーケット向けEC事業を推進する子会社化が好感された
- アイシン〈7259〉:NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)公募のグリーンイノベーション基金事業に、次世代型太陽電池開発のテーマで採択されたと発表
なお、ゲームエンタメ関連ではアカツキ、円谷フィールズホールディングスが年初来高値を更新した一方、サイバーエージェントは国内証券の目標株価引き下げを受けて3日ぶりに小幅反落した。
為替市場
外国為替市場でドル円は前日の急落(米財務省の国債買い戻し規模拡大発表を受けたもの)からわずか1日で反発し、159円18銭まで上昇する場面があった。午後には1ドル=159円00〜10銭で小動きとなった。前引け時点では158円台後半とやや円高方向だったが、後場にかけて円安・ドル高方向に振れ、国内輸出企業の収益下支え要因として意識された。
アジア市場の動向
香港ハンセン指数は前日比0.7%超上昇し堅調に推移。韓国総合株価指数(KOSPI)は下落して始まった後に上げに転じるなど、東京市場と同様に神経質ながらも底堅い値動きとなった。上海総合指数は朝安の後、前日終値近辺で推移した。
来週にかけての注目点
来週26日には米エヌビディアの決算発表が予定されており、AI・半導体セクターの先行きを占う最大の材料として市場の注目を集めている。また、24日には米国がイランに対する経済制裁の詳細を公表する予定で、これを受けたイラン側の対応次第では原油価格・地政学リスクが再び相場の変数となる可能性がある。国内長期金利の動向や、米国の財政悪化を背景とした世界的な金利上昇圧力が続くかどうかも、引き続き重要な観察点となりそうだ。
本レポートは2026年8月21日時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。





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