サマリー
9月4日(金)のニューヨーク株式市場は主要3指数がそろって反落した。朝発表された8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回ったことで、米労働市場の底堅さが改めて意識され、FRBによる9月の利上げ観測が強まった。
金利上昇を受けて株式の相対的な割高感が意識され、前日3日にウォラーFRB理事のハト派発言を受けて大幅高となっていた反動もあり、主要3指数は下落して取引を終えた。半導体セクターの中でも銘柄ごとの明暗が分かれる展開となった。
主要指数(9月4日終値、米国時間)
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 53,414.25ドル | -271.86ドル(-0.51%) |
| S&P500 | 7,718.60 | -29.11(-0.38%) |
| ナスダック総合指数 | 26,506.99 | -77.07(-0.29%) |
- 米2年債利回り:4.379%(前日比+4.7bp、東部時間午後3時時点)
- 9月FOMCでの利上げ確率:58.4%(前日比+9.0ポイント、CME FedWatch)
予想を大幅に上回る雇用統計で利上げ観測が急上昇
朝発表された8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比16万2,000人増と、市場予想(5万3,000人増)を大幅に上回った。6月・7月分も上方修正され、労働市場の堅調さが改めて確認された。失業率は4.1%と市場予想に一致し、平均時給の前月比の伸び率も0.3%と市場予想と同水準だった。
これを受け、CMEグループのフェドウオッチが示す9月FOMCでの利上げ確率は58.4%(政策金利を0.25ポイント引き上げ3.75〜4.00%とする確率)となり、前日の49.4%から大きく上昇した。市場では「来週発表の米物価指標が、FOMCで政策金利が据え置きか利上げになるかを左右することになる」との声が聞かれ、金利先高観が株式市場の重荷となった。金融政策の変化に敏感な2年債利回りは4.379%まで上昇し、2025年1月以来の高水準をつける場面もあった。
なお、雇用統計に先立ちADPが2日に発表した8月の民間部門雇用者数は前月比3万8,000人増と、1月以来の低水準にとどまり市場予想(4万7,000人増)を下回っていた。政府統計とADPの結果には差があったものの、最終的には政府統計の強さが市場の受け止め方を左右した。
トランプ大統領、雇用統計発表後にFRBへ利下げ要求
トランプ大統領は雇用統計発表後、自身のSNS上で「8月に雇用主は16万2,000人を雇用した。米国の信用力は少し前よりはるかに強くなっているのだから、金利を引き下げるべきだ」と投稿し、FRBに利下げを要求した。あわせて、貿易赤字を抱える国との取引を停止する可能性にも言及している。
GAFAM(大型ハイテク5社)の動き
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| アップル | AAPL | 319.97ドル | -8.24(-2.51%) |
| マイクロソフト | MSFT | 499.70ドル | -10.42(-2.04%) |
| アルファベット(Class A) | GOOGL | 338.46ドル | -4.02(-1.17%) |
| アルファベット(Class C) | GOOG | 335.31ドル | -3.77(-1.11%) |
| アマゾン・ドット・コム | AMZN | 258.51ドル | -0.39(-0.15%) |
| メタ・プラットフォームズ(Class A) | META | 616.77ドル | +6.09(+0.99%) |
(9/4 16:00前後の終値ベース)
GAFAM5社のうちメタ・プラットフォームズのみプラス圏(+0.99%)を維持し、他4社はそろって下落した。特にアップル(-2.51%)とマイクロソフト(-2.04%)の下落率が大きく、金利上昇を受けた高PER・グロース株全般への警戒が、大型ハイテク株の中核にも及んだ形となった。前日3日にGAFAM全社がプラスだった反動が、この日は色濃く表れている。
指数寄与度:半導体セクター内で明暗、テスラ・パランティアが急落
時価総額ランキングによると、この日の半導体セクターは銘柄ごとに大きく明暗が分かれた。マイクロン・テクノロジー(MU)は+6.09%、AMDは+4.69%、インテル(INTC)は+4.50%、オラクル(ORCL)は+3.07%とそれぞれ大幅高となった一方、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は-4.49%と急落。テスラ(TSLA)も-5.92%と大幅安となり、この日の下落率トップとなった。エヌビディア(NVDA)は+0.83%と小幅高にとどまっている。
半導体メモリー関連(マイクロン)や汎用ロジック(AMD、インテル)には根強い需要期待から買いが入った一方、前日大幅高だったテスラ・パランティアには利益確定売りが優勢となり、AI関連というテーマの中でも銘柄選別が進んだ一日だった。
個別銘柄の動き
- テスラ(TSLA):-5.92%、時価総額上位30銘柄の中で下落率トップ
- パランティア・テクノロジーズ(PLTR):-4.49%、前日の大幅高から反落
- マイクロン・テクノロジー(MU):+6.09%、半導体メモリー関連として大幅高
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD):+4.69%、半導体の中でも堅調
- インテル(INTC):+4.50%、同上
- オラクル(ORCL):+3.07%、ソフトウエア・AI関連として続伸
来週にかけての注目点
来週発表される米物価指標(消費者物価指数など)が、9月FOMCでの利上げ有無を左右する最大の材料になるとみられる。雇用統計の強さを受けて金利先高観が意識されるなか、物価指標が上振れした場合、株式市場、特に高PERのグロース株への調整圧力が強まる可能性がある。半導体セクター内での銘柄選別(メモリー・ロジック系は堅調、AI関連の一部急伸銘柄には利益確定売り)が続くかどうかも注視したい。
本レポートは2026年9月4日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。



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