サマリー
8月24日(月)のニューヨーク株式市場はまちまちの展開となった。米長期金利の低下や原油安を好感してダウ平均は続伸した一方、AI関連のコスト増懸念や需要を巡る弱気材料が重荷となり、ナスダック総合は反落。S&P500もわずかに水準を切り下げた。ベッセント財務長官による新たな対イラン制裁の発表に加え、今週予定されるエヌビディアの決算発表とジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演を控え、方向感に乏しい一日となった。
主要指数(8月24日終値、米国時間)
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 53,417.16ドル | +140.15ドル(+0.26%) |
| S&P500 | 7,652.86 | -21.51(-0.28%) |
| ナスダック総合指数 | 25,980.19 | -200.27(-0.76%) |
- 米10年債利回り:4.700%(前日比-0.033)
- WTI原油:85.01ドル(前日比-2.05ドル)
- NY金:4,697.8ドル(前日比+17.2ドル)
- VIX指数:15.85(前日比+0.72)
AI関連のコスト・需要懸念が寄り付きから重荷に
週末にかけて、エヌビディア(NVDA)がAIチップを搭載したサーバー価格の引き上げを顧客に通知したと報じられ、AI関連のコスト・インフレに対する懸念が高まった。また、AnthropicのFable5に対する需要が期待外れであるとの報道や、OpenAIが最先端モデルGPT-5.6 Solの価格を引き下げるなど、AI関連で軟調な材料が目立つ中でニューヨーク主要指数は売り先行で寄り付いた。半導体やAIインフラ関連銘柄への売りは目立ったものの、ハイパースケーラーやソフトウエア銘柄は堅調な値動きとなり、寄り付き後には情報技術セクターへの売りも落ち着いた。
米・カナダ通商摩擦、市場反応は限定的
週末に米国・カナダの貿易協議が決裂したことを背景に、一部のカナダ製品に対する50%の関税が発動したが、カナダから米国への輸出のうちわずか5%にしか適用されておらず、カナダによる報復関税も実施まで数週間を要するとの見方もあり、市場の反応は限定的にとどまった。
セクターローテーション:生活必需品・金融に資金シフト
S&P500は正午過ぎまで7,650付近で売り買いが交錯したが、午前中は買い優勢となり、一時7,670付近まで下げ幅を縮小した。生活必需品や金融といったディフェンシブセクターへの資金シフトが見られた。しかし、ベッセント財務長官が対イラン制裁を発表するとイラン情勢に対する懸念が改めて意識され、それ以上の買いは続かなかった。午後のS&P500はおおむね7,650~7,670のレンジで上下し、引けにかけてはレンジ下限で取引を終えた。
ベッセント財務長官、対イラン制裁を発表
ベッセント財務長官はこの日、対イラン経済制裁措置を発表し、協力する諸国に対してドルシステムへのアクセスを遮断する方針を明らかにした。制裁発表を前に、財務長官は前日23日にSNS上でイランに対し「史上最大規模」の金融制裁を科す可能性を示唆していた。米・イラン紛争長期化によるインフレ懸念は根強く、この材料が長期金利や為替市場でのドル買いにも影響した。
長期金利は低下、原油も反落
米10年債利回りは前日比-0.033の4.700%で取引を終えた。米財務省による長期国債買い戻し拡大策の効果や、ジャクソンホール会議を控えた持ち高調整の動きもあり、金利には低下圧力がかかった。NY原油先物(WTI)は、ベッセント財務長官による対イラン新制裁発表を受けた利食い売りが優勢となり、85.01ドル(前日比-2.05ドル)まで反落した。原油安と金利低下が好感され、ダウ平均を中心に買いが優勢となった一因となっている。
個別銘柄の動き
- エヌビディア(NVDA):AIチップ搭載サーバーの価格引き上げを顧客に通知したと報じられ、コスト・インフレ懸念から上値の重い展開
- 半導体・AIインフラ関連銘柄:全般に売りが目立った
- ハイパースケーラー・ソフトウエア銘柄:相対的に堅調な値動きを維持
為替市場:ドル買い優勢、ジャクソンホール待ち
外国為替市場では、対イラン制裁発表とジャクソンホールでのウォーシュFRB議長講演待ちからドル買いが優勢となった。ユーロドルは1.1675ドルへ上昇後、1.1655ドルまで下落して引けた。ユーロ円は185円46銭へ下落後、185円75銭まで上昇。ポンドドルは1.3650ドルへ上昇後、1.3625ドルまで下落した。ドルスイスは0.8015フランから0.8030フランまで上昇した。
来週にかけての注目点
市場の関心は26日(水)に予定されるエヌビディアの決算発表と、27〜29日に開催されるジャクソンホール経済シンポジウム(28日にウォーシュFRB議長の講演)に集まっている。このほか25日(火)の消費者信頼感指数、26日(水)のPCEデフレーターおよび第2四半期GDP改定値も注目材料となる。次回のFOMCは9月16日に予定されており、金融政策への思惑が引き続き相場を左右しそうだ。AI関連のコスト・需要を巡る懸念が一過性のものか、より構造的なテーマとなるかも、決算発表シーズンを通じて見極めが必要な局面が続く。
本レポートは2026年8月24日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。








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