サマリー
8月24日の米国市場は、ダウ平均が原油安・金利低下を好感して続伸した一方、ナスダック総合は半導体関連株の下落が重荷となり反落した。エヌビディアがAIチップ搭載サーバーの値上げを顧客に通知したとの報道でAIコスト懸念が広がり、マイクロン・AMD・インテルなど半導体株が軒並み売られた。もっとも、GAFAM(アップル・マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・メタ)はそろってプラス圏を維持しており、AI関連の売りは半導体・AIインフラ関連銘柄に集中し、大型ハイテク株の中核には及ばなかった。ビザ・ユナイテッドヘルス・トラベラーズなど非ハイテクの優良株にも資金が向かい、セクター間で明暗が分かれる一日となった。
主要指数(8月24日終値、米国時間)
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 53,417.16ドル | +140.15ドル(+0.26%) |
| S&P500 | 7,652.86 | -21.51(-0.28%) |
| ナスダック総合指数 | 25,980.19 | -200.27(-0.76%) |
情報技術セクター:半導体総崩れ
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| インテル | INTC | 87.26ドル | -2.81(-3.12%) |
| エヌビディア | NVDA | 208.48ドル | -6.24(-2.91%) |
| AMD | AMD | 456.75ドル | -16.51(-3.49%) |
| マイクロン・テクノロジー | MU | 910.43ドル | -56.35(-5.83%) |
| ブロードコム | AVGO | 358.76ドル | -9.69(-2.63%) |
| オラクル | ORCL | 142.45ドル | -4.02(-2.74%) |
| IBM | IBM | 231.04ドル | -4.64(-1.97%) |
| マイクロソフト | MSFT | 487.31ドル | +4.07(+0.84%) |
| アップル | AAPL | 310.34ドル | +0.99(+0.32%) |
| ビザ | V | 382.41ドル | +11.37(+3.06%) |
| アドビ | ADBE | 276.27ドル | +0.97(+0.35%) |
半導体株への売りが情報技術セクター全体を押し下げるなか、決済大手のビザは+3.06%と大幅高。マイクロソフト・アップルもプラス圏を維持しており、AI・半導体関連と非半導体系ハイテクとで明暗が分かれた。
エヌビディアのサーバー値上げ報道がAIコスト懸念の震源に
週末にかけて、エヌビディアがAIチップを搭載したサーバー価格を顧客に対し引き上げると通知したと報じられた。一部のケースでは15%超の値上げになるとされ、DRAM価格の急騰が要因という。この報道を受け、AI関連のコスト・インフレへの懸念が強まり、半導体・AIインフラ関連銘柄全般に売りが波及した。マイクロンの5.83%安はDRAM需給の逼迫を巡る思惑とも絡んでいるとみられる。
金融セクター:優良株中心に堅調
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| JPモルガン・チェース | JPM | 356.39ドル | +4.81(+1.37%) |
| バンク・オブ・アメリカ | BAC | 62.33ドル | +0.64(+1.04%) |
| シティグループ | C | 131.72ドル | +0.07(+0.05%) |
| ゴールドマン・サックス | GS | 1,036.28ドル | -3.00(-0.29%) |
| アメリカン・エキスプレス | AXP | 337.33ドル | +1.33(+0.40%) |
| トラベラーズ | TRV | 370.55ドル | +6.97(+1.92%) |
金融セクターは総じて底堅く、個別銘柄ではビザやアメリカン・エキスプレスが上昇、プロクター・アンド・ギャンブル、ユナイテッドヘルス・グループも高かった。金利低下環境でも大手金融株には資金が向かい、ディフェンシブ性を意識した物色がうかがえる。
ヘルスケアセクター:ユナイテッドヘルスが大幅高、モデルナは急落
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| ユナイテッドヘルス | UNH | 398.76ドル | +8.65(+2.22%) |
| アムジェン | AMGN | 443.84ドル | +4.51(+1.03%) |
| ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 273.04ドル | +2.80(+1.04%) |
| メルク | MRK | 150.66ドル | -1.89(-1.24%) |
| モデルナ | MRNA | 138.89ドル | -6.24(-4.30%) |
| イーライ・リリー | LLY | 1,246.93ドル | -8.47(-0.67%) |
ヘルスケアセクターは銘柄によるばらつきが大きく、ユナイテッドヘルスが+2.22%と大きく買われた一方、モデルナは-4.30%と急落した。
一般消費財セクター:テスラ・フォードが軟調
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| テスラ | TSLA | 348.95ドル | -13.91(-3.83%) |
| フォード・モーター | F | 13.93ドル | -0.48(-3.33%) |
| GM | GM | 86.98ドル | -0.95(-1.08%) |
自動車株全般に売りが目立ち、テスラは-3.83%と大幅安となった。
GAFAM(大型ハイテク5社)の動き
| 銘柄 | コード | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|---|
| アップル | AAPL | 310.34ドル | +0.99(+0.32%) |
| マイクロソフト | MSFT | 487.31ドル | +4.07(+0.84%) |
| アルファベット(Class A) | GOOGL | 348.89ドル | +1.18% |
| アルファベット(Class C) | GOOG | 344.59ドル | +0.83% |
| アマゾン・ドット・コム | AMZN | 262.07ドル | +3.44(+1.33%) |
| メタ・プラットフォームズ | META | 559.02ドル | +9.12(+1.66%)、日中は546.30〜561.42ドルで推移 |
GAFAM5社はこの日そろってプラス圏で取引を終え、メタが+1.66%、アマゾンが+1.33%と特に堅調だった。半導体株(インテル、AMD、マイクロン等)が軒並み売られナスダック総合が反落するなかでも、大型ハイテク株の中核であるGAFAMは総じて底堅く推移しており、AIコスト懸念による売りが半導体・AIインフラ関連銘柄に集中し、GAFAM本体には及ばなかった構図がうかがえる。
個別材料株の動き
- キアゲン(QGEN):プラット氏が9月1日付でCEOに就任すると発表され下落
- リジェネックス(RGNX):FDAが臨床試験の一時停止を決定したことを受け大幅安
- セラス・ライフ(CERS):観測報道が伝わったが、その内容に懐疑的な見方も出て反落
- アプライド・オプトエレクトロニクス:最大6億ドル相当のATM方式増資計画が伝わり大幅安
- スペースX:あるアナリストが目標株価100ドルでカバレッジを新規開始
セクター動向まとめ
原油安・金利低下を受けてダウ平均は続伸したが、AIコスト懸念による半導体売りがナスダックの重荷となった。金融・ヘルスケアの優良株、そしてGAFAM本体には資金がシフトする一方、半導体・AIインフラ関連の成長株には慎重姿勢が広がった。週内に決算を発表するエヌビディアは安く、IBM・シスコシステムズなどハイテク銘柄の一角も売られた。
来週にかけての注目点
26日(水)に予定されるエヌビディアの決算発表が最大の焦点となる。AIチップの値上げ報道を受けたコスト・インフレ懸念が実際の需要にどう影響するか、決算内容とガイダンスが試金石となりそうだ。27〜29日のジャクソンホール会議(28日にウォーシュFRB議長講演)、25日の消費者信頼感指数、26日のPCEデフレーター・GDP改定値も重要な材料となる。
本レポートは2026年8月24日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。







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