米国市場レポート:米・イラン緊張再燃で原油高、主要3指数が続落も月間ではプラス(2026年8月31日、米国時間)

Daily Market News

サマリー

8月31日(月)のニューヨーク株式市場は主要3指数がそろって続落した。米軍が前日30日、ホルムズ海峡に位置するイランのララク島にあるロケット発射台2基を攻撃したと発表し、イラン革命防衛隊もヨルダンの米軍基地に報復攻撃を行うなど、約1カ月ぶりに米・イラン間の軍事的緊張が再燃。これを受けて原油価格が上昇し、長期金利の上昇とともに株式市場の重荷となった。もっとも、8月の月間ベースでは主要3指数がいずれもプラスを確保している。

主要指数(8月31日終値、米国時間)

指数終値前週末比8月の月間騰落率
ダウ工業株30種平均53,185.90ドル-374.09ドル(-0.70%)+1%超
S&P5007,686.14-25.62(-0.33%)+2.6%
ナスダック総合指数26,370.89-31.53(-0.12%)+3.9%
  • WTI原油先物:85.76ドル(前週末比+2.8%)
  • 北海ブレント原油先物:90.49ドル(前週末比+2.7%)
  • 米長期国債利回り:上昇

米・イラン軍事衝突が約1カ月ぶりに再燃

米中央軍(CENTCOM)は30日、ホルムズ海峡のララク島にあるイランのロケット発射台2基を攻撃したと発表した。イラン革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡へ機雷を搭載したロケットの発射準備を行っているのが確認されたための攻撃だとしている。これに対しイラン革命防衛隊は、ヨルダンにある米軍基地にミサイルと無人機で報復攻撃を実施したとイランメディアを通じて発表。さらに31日には、ホルムズ海峡南部を航行中の大型タンカーが機雷2発に接触して炎上し航行不能になったともイラン国営テレビが伝えている(船名・乗員情報は不明、独立した確認は取れていない)。

米国とイランの直接的な軍事衝突は約1カ月ぶりで、これまで経済制裁を中心とした「経済戦」を優先してきた米国の対応方針が転換した形となった。米国は毎週新たな対イラン制裁を発表し銀行部門を狙い撃ちする方針を継続しているが、制裁だけでイランを圧迫する手法に限界を感じ始めているとの見方も出ている。アクシオスは、トランプ大統領と政権高官がホルムズ海峡周辺での限定的な追加攻撃を検討していると報じた。

原油高と金利上昇が相場の重荷に

軍事的緊張の再燃を受けて原油価格が上昇し、WTI原油先物は前週末比2.8%高の85.76ドル、北海ブレント原油先物は同2.7%高の90.49ドルで取引を終えた。原油高を受けて米長期国債利回りが上昇し、これが株式市場、特に金利敏感セクターの重荷となった。

8月月間では主要3指数がプラス

日中の下落にもかかわらず、8月の月間騰落率はダウ平均が1%超の上昇、S&P500が2.6%上昇、ナスダック総合が3.9%上昇となり、主要3指数はいずれも月間ベースでプラスを確保した。エヌビディア・セールスフォースなど月内の好決算が相場を支えた形だ。

指数寄与度:GAFAM・半導体はまちまち、テスラが大幅高

この日はGAFAMを含む大型ハイテク株の反応が分かれた。時価総額上位30銘柄のデータによると、エヌビディア(NVDA)が+1.48%、ブロードコム(AVGO)が+0.42%、マイクロン・テクノロジー(MU)が+2.77%、AMDが+1.10%とそれぞれ上昇し、半導体セクターの一角は底堅さを見せた。一方、アップル(AAPL)が-0.89%、マイクロソフト(MSFT)が-1.21%、アマゾン(AMZN)が-2.49%、アルファベットA(GOOGL)が-2.08%、アルファベットC(GOOG)が-2.17%、メタ・プラットフォームズ(META)が-0.98%と、GAFAMの多くは下落した。

なかでもテスラ(TSLA)は+5.50%(367.95ドル)と大幅高となり、時価総額上位30銘柄の中で際立った上昇率を記録した。エネルギー関連ではシェブロン(CVX)が+2.12%、エクソンモービル(XOM)が+2.70%と、原油高を受けてそろって買われている。

GAFAM(大型ハイテク5社)の動き

銘柄コード終値前日比
アップルAAPL316.85ドル-2.85(-0.89%)
マイクロソフトMSFT507.29ドル-6.24(-1.21%)
アルファベット(Class A)GOOGL339.35ドル-7.24(-2.08%)
アルファベット(Class C)GOOG335.41ドル-7.47(-2.17%)
アマゾン・ドット・コムAMZN259.77ドル-6.66(-2.49%)
メタ・プラットフォームズ(Class A)META572.34ドル-5.68(-0.98%)

GAFAM5社はこの日そろって下落し、なかでもアマゾン(-2.49%)とアルファベット(-2.08〜2.17%)の下落率が目立った。前日の米・イラン軍事衝突再燃を受けたリスク回避的な地合いのなか、GAFAM本体もその流れに沿って売られた形となり、8月28日時点でGAFAMが軒並みプラスだった時とは対照的な展開となった。半導体関連の一角(エヌビディア、マイクロン、AMD)がプラス圏を維持したのとは対照的に、この日はGAFAMが相場の重荷側に回った点が特徴的だ。

個別銘柄の動き

  • テスラ(TSLA):+5.50%と大幅高。時価総額上位30銘柄の中で際立った上昇
  • シェブロン(CVX):+2.12%、原油高の恩恵
  • エクソンモービル(XOM):+2.70%、同じく原油高の恩恵
  • マイクロン・テクノロジー(MU):+2.77%、半導体の中でも堅調
  • ウォルマート(WMT):+1.72%、ディフェンシブ性を意識した買い
  • イーライリリー(LLY):-1.52%、ヘルスケア関連の一角も軟調
  • マスターカード(MA):-1.00%、決済関連にも売り

来週にかけての注目点

米・イラン情勢の展開とホルムズ海峡を巡る緊張の帰趨が、原油価格・長期金利を通じて引き続き相場の最大の変数となる。9月のFOMC(連邦公開市場委員会)に向けた金融政策観測も焦点となり、来週にかけては米ADP雇用者数、ISM製造業景気指数、月末の雇用統計など重要な経済指標の発表が続く。GAFAMを含む大型グロース株が、地政学リスクの高まりに対して今後どう反応するかも注視したい。


本レポートは2026年8月31日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。

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