サマリー
8月25日(火)のニューヨーク株式市場は主要3指数がそろって上昇し、ダウ平均は3営業日続伸した。中東情勢を巡る警戒感が和らぎ原油価格が下落したことが好感されたほか、米国債利回りの低下も相場を支えた。翌26日引け後に決算発表を控えるエヌビディアが8営業日ぶりに反発するなど、IT・ハイテク株には決算を見据えた買い戻しが入った。もっとも、8月の消費者信頼感指数や7月の新築住宅販売件数が市場予想を下回ったことが重荷となり、上値追いは限定的だった。
主要指数(8月25日終値、米国時間)
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 53,577.40ドル | +160.24ドル(+0.30%) |
| S&P500 | 7,677.28 | +24.42(+0.32%) |
| ナスダック総合指数 | 26,151.30 | +171.11(+0.66%) |
- 米10年債利回り:4.626%(前日比-0.074)
- WTI原油:82.36ドル(前日比-2.65ドル)
- NY金:4,694.5ドル(前日比-3.3ドル)
- VIX指数:15.45(前日比-0.40)
- フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数):11,588.04(+164.87、+1.44%)
中東情勢の警戒後退で原油安、株価を支援
トランプ政権によるイランの貿易相手国に対する新制裁措置の即時実行発表がなかったことに加え、仲介国が引き続きイラン紛争の緊張緩和を目指しているとの報道を受け、原油価格が下落した。米国務省が中東地域から退避させていた外交官を大使館に戻す準備を進めていると伝わったことも、中東情勢への警戒後退につながった。これを受けてWTI原油先物は82.36ドルまで下落し、株式市場の追い風となった。
朝方はこうした地政学リスクの後退を好感して上昇して始まったものの、消費者信頼感指数や新築住宅販売件数など経済指標が冴えない内容だったことで一時失速する場面もあった。しかし、米国債利回りの低下を受けた買いが相場を支え、終日堅調に推移して取引を終えている。
エヌビディア決算控え、ハイテク株に買い戻し
翌26日の取引終了後に決算発表を控えるエヌビディア(NVDA)は8営業日ぶりに反発した。同社株は5月14日につけた高値から約12%下落しており、今回の決算では引き続き高い成長が期待される一方、過去4回の決算発表後はいずれも株価が下落していたことから、警戒感も残る。決算後にネガティブな反応が出れば、AI関連株全般に下押し圧力が及ぶ可能性も意識されている。
セクター別では半導体・同製造装置が上昇した一方、エネルギーは原油安を受けて下落した。SOX指数は+1.44%と大幅高となっている。
米国債利回り低下の背景:財務省一般勘定(TGA)活用の思惑
米国債利回りはこの日も低下し、株式市場をサポートした。米財務省が国債買い戻し拡大の原資として、約1兆ドル規模の財務省一般勘定(TGA)の資金を活用する可能性があると前日に伝わったことが、引き続き材料視されているとみられる。
個別銘柄の動き
- ユナイテッド航空(UAL):2027年に欧州・アジア圏10都市へ新規就航し、国際線ネットワークを過去最大規模に拡大する計画を発表。収益増期待から買われた
- デルタ航空(DAL)、アメリカン航空(AAL):燃料コスト高懸念の後退を受け、それぞれ上昇
- ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH):コスト削減期待に買われた
- アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD):アナリストの投資判断引き上げを受け上昇
- シャーウィン・ウィリアムズ(SHW):同じくアナリストの投資判断引き上げで上昇
- ディックス・スポーティング・グッズ(DKS):第2四半期決算でフットロッカー部門が想定外の赤字を計上し、通期見通しを引き下げ。大幅安となった
- ナイキ(NKE):DKSの決算内容を受けて連れ安
- エクスペディア・グループ(EXPE):アナリストが目標株価を引き上げ、上昇
- カナダグース・ホールディングス(GOOS):対カナダ関税率引き上げとアナリストの投資判断引き下げを受け下落
- ジロー・グループ(Z):反独占禁止法訴訟を巡り当局と和解に達し、買われた
- ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス:肥満治療薬プログラムを巡りビザ(V)が顧客の払い戻し請求拡大で同社に警告したとの報道が嫌気され下落
ベッセント財務長官、対イラン包囲網の方針を発表
ベッセント財務長官は記者会見で、イランを世界経済から孤立させる前提のない取り組みを開始すると発表し、イランと取引を行う諸国への圧力を強める方針を示した。もっとも、制裁対象となる具体的な国名は明らかにされなかった。
為替市場
ユーロドルは1.1660ドルから1.1680ドルまで上昇し、1.1676ドルで引けた。ユーロ円は185円66銭から185円93銭まで上昇。ポンドドルは1.3626ドルへ下落後、1.3655ドルまで上昇した。ドルスイスは0.8031フランまで上昇後、0.8008フランまで下落した。8月の消費者信頼感指数・7月新築住宅販売件数がいずれも予想を下回ったことでドル売りが優勢となる場面もあったが、コリンズ・ボストン連銀総裁がインフレ鈍化がなければ「速やかな引き締めが適切」と発言したことで下げ止まった。
来週にかけての注目点
市場の最大の焦点は26日引け後に予定されるエヌビディアの決算発表であり、AI関連株全般のセンチメントを左右する可能性が高い。28日にはワイオミング州ジャクソンホールで開催されるFRB年次シンポジウムでウォーシュ議長が講演を予定しており、この内容も金融政策の先行きを見極める上で重要な材料となる。中東情勢を巡る緊張緩和の持続性や、財務省による国債買い戻し拡大策の展開も引き続き注視が必要だ。
本レポートは2026年8月25日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。







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