サマリー
8月24日の東京市場は日経平均が続落(-488円)した一方、東証プライム市場では値上がり銘柄数(843)が値下がり銘柄数(662)を上回り、業種別では33業種中20業種が上昇するなど、指数の弱さとは裏腹に個別物色は幅広く活発だった。海外関連株高を受けた住友金属鉱山など非鉄株、レアアース関連の東洋エンジニアリングなどが大幅高となった一方、AI・半導体関連は日米の長期金利上昇と韓国KOSPI安が重荷となり総じて軟調だった。ストップ高4銘柄・ストップ安1銘柄。東証グロース市場は前引け時点で値下がり優勢の展開となった。
日経平均寄与度:押し上げ・押し下げ上位銘柄
押し上げ上位
| 順位 | 銘柄 | コード | 寄与度(円) | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京エレクトロン | 8035 | +86.49 | 半導体製造装置株の一角に買い戻し |
| 2 | リクルートホールディングス | 6098 | +61.85 | サービス業セクターの上昇を牽引 |
| 3 | 豊田通商 | 8015 | +13.78 | 商社株の一角も堅調 |
| 4 | 日立建機 | 6305 | +12.10 | 建設機械セクターの上昇を牽引、値上がり率+7.07% |
| 5 | 住友金属鉱山 | 5713 | +11.98 | 資源・非鉄金属株として物色継続、値上がり率+8.27% |
押し下げ上位
| 順位 | 銘柄 | コード | 寄与度(円) | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | アドバンテスト | 6857 | -337.9 | 寄与度トップの下落、PER高水準への割高感が意識される |
| 2 | ソフトバンクグループ | 9984 | -225.27 | アーム株安、オープンAI成長鈍化観測、金利上昇の利払い負担という「三重苦」 |
| 3 | キオクシアホールディングス | 285A | -79.55 | 韓国KOSPI安と連動し下げ足速める |
| 4 | ファーストリテイリング | 9983 | -53.9 | 値がさ株として指数を押し下げ |
| 5 | フジクラ | 5803 | -53.1 | 非鉄・電線関連に戻り売り |
住友金属鉱山:非鉄株の代表格として大幅続伸
住友金属鉱山〈5713〉は、海外関連株高を受けて非鉄株が強い動きとなるなか、大幅続伸となった。値上がり率は+8.27%でプライム市場の値上がり率ランキング上位に入った。UACJ〈5741〉など、非鉄株の一角も大幅上昇となっている。金利低下局面での金価格上昇や、銅などベースメタル価格の戻りを背景にした資源セクター全体への資金流入が続いている。
東洋エンジニアリング:レアアース関連としてストップ高
東洋エンジニアリング〈6330〉はレアアース関連株への物色が広がるなか、制限値幅の上限(ストップ高水準)となる大幅高となった。値上がり率+8.29%はプライム市場でも上位に位置する。同じくレアアース関連では東邦亜鉛にも買いが波及した。経済産業省が2027年度予算の概算要求でAI・半導体を軸に7.7兆円を計上すると報じられたことも、関連テーマ株への関心を高める材料となった。
トヨタ自動車:小幅ながら3日続伸、目標株価引き上げ
トヨタ自動車〈7203〉は小幅に3営業日続伸した。国内大手証券が目標株価を3,700円に引き上げたことが材料視されている。
建設株:高配当バリュー株として物色
大成建設〈1801〉、大林組〈1802〉など建設株が全般堅調に推移した。株探では「乱調相場で現れた金鉱脈」として、高配当バリュー株の宝庫である建設株への注目を呼びかける特集も組まれており、金利上昇局面でのバリュー株シフトの受け皿となっている面がうかがえる。
ソフトバンクグループ:「三重苦」の一方でエヌビディア出資観測も
ソフトバンクグループ〈9984〉は、傘下のアーム・ホールディングスの株安、出資先オープンAIの成長鈍化観測、そして金利上昇に伴う利払い負担の増加という「三重苦」が重荷となり、日経平均の押し下げ寄与度2位となった。もっとも、前週にはエヌビディアがソフトバンクグループ傘下のSBエナジーに最大30億ドルを出資する方向で協議しているとも報じられており、AI関連の資本提携を巡る思惑は引き続きくすぶっている。
個別材料株戦略(当日注目された銘柄)
寄り付き前の個別銘柄戦略では、以下の材料を持つ銘柄が物色対象として挙げられていた。
- シーイーシー〈9692〉:2027年1月期業績予想を上方修正
- 日本甜菜製糖〈2108〉:発行済株式数の1.53%を上限とする自社株買い・消却を発表
- マルマエ〈6264〉:中期事業計画の数値目標を上方修正
- ストライクグループ〈6196〉:台湾に子会社を設立すると発表
- シンプレクス・ホールディングス〈4373〉:日本相互証券向けの新債券トレーディングシステム「BB Super Trade」開発を発表
- 霞ヶ関キャピタル〈3498〉:連結子会社が和歌山マリーナシティの全株式を取得
- 弁護士コム〈6027〉:グループのミカタ少額短期保険と代理店委託契約を締結し、弁護士保険の取扱いを開始すると発表。人工知能関連としても物色
一方、軟調な展開が想定された銘柄としては、株式売出しを発表した川西倉庫〈9322〉などが挙げられていた。
ストップ高・ストップ安銘柄
- ストップ高:4銘柄(前引け時点では3銘柄程度)
- ストップ安:1銘柄
東洋エンジニアリング〈6330〉がストップ高の代表格となったほか、レアアース関連の一角にも制限値幅上限までの買いが入った。
業種別動向
東証33業種のうち20業種が値上がり、13業種が値下がりした。値上がり上位はサービス業、建設業、その他製品、卸売業。値下がり上位は鉱業、情報・通信業、保険業だった。前引け時点の業種別騰落ランキングでは上昇トップが鉱業となっていたが、大引けにかけて原油関連(INPEX、石油資源開発など)が失速し、値下がり業種に転じている点は一日の値動きの変化として注目される。
東証グロース市場
前引け時点の東証グロース市場は値下がり優勢の展開となった。個別では地域新聞社、TORICO〈7138〉がストップ高となった。前週末21日時点の東証グロース市場指数は983.53(前日比-9.51)、東証グロース市場250指数は768.47(同-8.51)で反落しており、24日も同様に軟調な地合いが引き継がれた形とみられる。
日米の長期金利上昇とAI・半導体関連株への逆風という同日のテーマは新興市場にも波及しやすく、バリュエーション(投資尺度)面で割高感が意識されやすいグロース市場銘柄には売りが出やすい環境だった。一方で、材料株(TORICOなど仮想通貨関連、地域新聞社などのテーマ株)には物色の矛先が向かい、指数全体の軟調さとは裏腹に個別の値動きは活発だった。
※東証グロース市場の大引け確定値(指数の終値・値上がり/値下がり銘柄数・値上がり率上位10銘柄等)は本レポート作成時点で確認できておらず、前引け時点の情報にとどまる点にご留意されたい。
為替市場
外国為替市場でドル円は158円90銭前後で推移し、朝方には158円73銭まで下落する場面もあった。
来週にかけての注目点
25日には決算発表を控える銘柄が多く、シーイーシー〈9692〉など好決算が期待される銘柄への関心が高まっている。今週は米半導体大手エヌビディアの決算発表とジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演が最大の焦点となり、市場では様子見姿勢が強い。半導体製造装置関連の一角(東京エレクトロンなど)に買い戻しが入る一方、アドバンテスト・キオクシアなど値がさのAI・半導体株には戻り売りが続いており、テーマ内での銘柄選別が当面続く可能性がある。
本レポートは2026年8月24日時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。






コメント