
サマリー
10月8日(木)の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比993円60銭(-1.42%)安の69,042.11円と、この日の安値で取引を終え、7万円の節目を割り込んだ。前日の米国株安に加え、台湾積体電路製造(TSMC、2330)の9月売上高が前月比で減少したことをきっかけに、ソフトバンクグループ(9984)や東京エレクトロン(8035)などAI・半導体関連株に利益確定売りが膨らんだ。上位5銘柄だけで日経平均を約604円押し下げており、指数の下げの6割強を値がさ株が占めた。TOPIXは-1.51%、東証グロース市場250指数は-2.29%と、中小型株の下げがより大きかった。
主要指数(10月8日大引け)
| 指数 | 終値 | 前日比 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 69,042.11円 | -993.60円 | -1.42% |
| TOPIX | 4,091.46 | -62.65 | -1.51% |
| 東証グロース市場250指数 | 794.75 | -18.59 | -2.29% |
- 日経平均の始値は69,840.64円(前日比-195.07円)。寄り付きから下げて始まり、大引けにかけて下げ幅を広げ安値引けとなった
- TOPIXの始値は4,136.62、安値は4,087.42(前日終値4,154.11)
- 東証プライム市場の売買代金は7兆6,133億円、売買高は23億2,915万株
- プライム市場の値下がり銘柄数は1,182、値上がり327、横ばい43と、全体の約8割が下落
- 日経平均構成銘柄は値上がり56(寄与度合計+118.47円)、値下がり165(同-1,112.07円)、変わらず4
下落の背景
前日7日の米国市場では、原油高によるインフレ懸念と金利上昇が重荷となり、NYダウは341.41ドル安の51,179.87ドルで終えた。キャタピラー(CAT)の下落も指数を押し下げた。取引終盤には原油相場の下落や10年債入札の堅調な結果を受けて下げ渋ったものの、東京市場には弱い地合いが引き継がれた。
さらに、TSMC(2330)が発表した9月の売上高は前年同月比+54.6%と高い伸びを保った一方、前月比では-0.6%と減少した。AI需要の伸びに一服感が意識され、東京市場の半導体関連株への売りを誘った。
中東情勢では、日本時間の朝方にトランプ米大統領がイランとの最終合意に慎重な姿勢を示したと伝わり、リスク回避の動きにつながった。日経平均は9月16日以降で6,500円超上昇しており、過熱感からの利益確定売りが出やすかったことに加え、来週月曜日(12日)が祝日で三連休となるため、週末を前にした持ち高調整の売りも重なった。
一方、アドバンテスト(6857)が朝安後に一時上昇に転じる場面があったほか、国内長期金利の低下が株価の下支え要因として意識されたが、大引けにかけての売りを吸収するには至らなかった。
日経平均寄与度(押し下げ上位)
| 銘柄(コード) | 終値 | 前日比 | 寄与度 |
|---|---|---|---|
| ソフトバンクグループ(9984) | 6,040円 | -270円(-4.28%) | -218.44円 |
| 東京エレクトロン(8035) | 12,190円 | -310円 | -156.75円 |
| TDK(6762) | 3,353円 | -177円 | -89.50円 |
| アドバンテスト(6857) | 40,930円 | -360円 | -77.67円 |
| イビデン(4062) | 11,810円 | -460円 | -62.03円 |
| フジクラ(5803) | 5,512円 | -188円 | -38.03円 |
| 村田製作所(6981) | 8,267円 | -416円 | -33.66円 |
| ファナック(6954) | 6,019円 | -145円 | -24.44円 |
| 京セラ(6971) | 3,752円 | -75円 | -20.23円 |
| 豊田通商(8015) | 7,209円 | -199円 | -20.13円 |
| 信越化学工業(4063) | 6,121円 | -113円 | -19.05円 |
| 太陽誘電(6976) | 10,955円 | -505円 | -17.02円 |
| 小松製作所(6301) | 7,397円 | -432円 | -14.56円 |
| 住友電気工業(5802) | 2,398円 | -84円 | -11.33円 |
| 日本ガイシ(5333) | 5,610円 | -291円 | -9.81円 |
ソフトバンクグループ(9984)1銘柄で日経平均を約218円押し下げ、東京エレクトロン(8035)と合わせて約375円と、指数下落幅の4割近くを2銘柄で占めた。TDK(6762)、村田製作所(6981)、太陽誘電(6976)、京セラ(6971)など電子部品株もそろって大きく下げ、AIサーバー向け部品需要への過度な期待の巻き戻しが目立った。イビデン(4062)、フジクラ(5803)、住友電気工業(5802)などAIデータセンター関連も売られた。
日経平均寄与度(押し上げ上位)
| 銘柄(コード) | 終値 | 前日比 | 寄与度 |
|---|---|---|---|
| リクルートホールディングス(6098) | 17,200円 | +200円(+1.18%) | +20.23円 |
| KDDI(9433) | 2,905円 | +28円 | +11.33円 |
| トレンドマイクロ(4704) | 7,232円 | +271円 | +9.14円 |
| バンダイナムコホールディングス(7832) | 5,721円 | +82円 | +8.29円 |
| 大塚ホールディングス(4578) | 11,680円 | +205円 | +6.91円 |
| 本田技研工業(7267) | 1,712.5円 | +29円 | +5.87円 |
| コナミグループ(9766) | 22,330円 | +160円 | +5.39円 |
| 野村総合研究所(4307) | 5,341円 | +152円 | +5.12円 |
| ベイカレント(6532) | 8,346円 | +136円 | +4.58円 |
| セコム(9735) | 6,323円 | +66円 | +4.45円 |
押し上げ上位5銘柄の寄与度は合計約56円にとどまり、押し下げ上位5銘柄(約604円)との差は歴然だった。リクルートホールディングス(6098)、トレンドマイクロ(4704)、野村総合研究所(4307)、ベイカレント(6532)などソフトウエア・ITサービスの一角や、KDDI(9433)、セコム(9735)といったディフェンシブ銘柄、バンダイナムコホールディングス(7832)、コナミグループ(9766)などのゲーム株に資金が逃避した。
東証プライム市場:テーマ・業種の動き
- 半導体・電子部品:前述の通り全面安。TSMCの月次売上の前月比減少が直接の売り材料となった
- 商社:豊田通商(8015)が-199円、三井物産(8031)が4,764円(-143円)、三菱商事(8058)が4,590円(-86円)と下落。三菱商事は新TOPIXへの移行に伴う需給面での売りも意識された
- 建設機械:小松製作所(6301)が-432円と大幅安。日立建機(6305)も5,550円(-243円)、クボタ(6326)も軟調で、前日の米キャタピラー(CAT)安が波及した
- 電機:三菱電機(6503)が5,051円(-234円)と下落
- 銀行:国内長期金利の低下を受けて三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が下落し、地方銀行株にも売りが広がった
- 海運:日本郵船(9101)が上昇するなど、海運株は中東情勢を背景とした運賃上昇期待から底堅かった
- ソフトウエア・情報通信:トレンドマイクロ(4704)や野村総合研究所(4307)が上昇し、相対的な強さを見せた
東証グロース市場
東証グロース市場250指数は794.75(-18.59、-2.29%)と、主要指数の中で最も大きな下落率となった。リスク回避の地合いのなか、個人投資家の資金が多く入る新興株にも売りが広がった。
- ティアフォー(593A):新TOPIXへの採用が材料視され、前場には2,368円(+233円、+10.9%)まで上昇。機関投資家の資金流入期待から逆行高を演じ、グロース市場で売買を集めた
- 新TOPIXに採用されたスタンダード・グロース市場の銘柄の一部では、発表を受けた「材料出尽くし」の売りが優勢となった
ストップ高・ストップ安
全市場でストップ高は16銘柄、ストップ安は2銘柄だった。値下がり銘柄が全体の8割に達するなかでも、個別材料のある中小型株には短期資金が向かった。
為替市場
| 通貨ペア | レート | 前日比 |
|---|---|---|
| ドル円 | 158.27〜158.28円(20時28分時点) | 0.17円の円安・ドル高 |
株安局面でもドル円は158円台前半と円安水準を維持した。国内長期金利は低下した一方、米国の金利が高止まりしており、日米金利差を背景とした円売りの流れは変わっていない。
アジア市場
8日のアジア市場では、各国・地域の主要株価指数が総じて下落した。前日の米国株安と中東情勢を巡る不透明感から、域内でもリスク回避の売りが優勢だった。
来週にかけての注目点
- 12日(月)はスポーツの日の祝日で東京市場は休場。三連休中の海外市場の変動リスクに注意
- 今晩発表される米国の雇用関連指標と、それを受けた米金利の動向
- 米国とイランの協議の行方と、原油価格・日米金利への影響
- ファーストリテイリング(9983)の決算発表(8日大引け後)。日経平均への寄与度が大きいため、週明けの指数動向を左右する可能性がある
- 9月中旬以降の急ピッチな上昇の反動がどこまで続くか。7万円の節目を早期に回復できるかが焦点
本レポートは2026年10月8日時点の市場データ・報道に基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。

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