米国株 個別銘柄レポート:ロビンフッド急伸、鉱山株にも資金流入(2026年8月21日、米国時間)

Daily Market News

サマリー

8月21日の米国市場は主要3指数がそろって反発し、ダウ平均は517.80ドル高と大幅高となった。ビットコイン急騰を追い風に暗号資産関連株が急伸したほか、金価格の上昇を受けて鉱山株にも買いが広がった。小売決算では明暗が分かれ、好決算のロス・ストアーズが買われる一方、中東情勢の影響で納品時期がずれ込んだOSIシステムズは急落した。ダウ平均の上昇はゴールドマン・サックス、シスコシステムズ、メルクが先導し、S&P500の11セクターのうち大半が上昇するなど、全体として広がりのある反発となった。もっとも週間ベースでは主要3指数がそろってマイナスとなっており、金利変動を巡る神経質な地合いが続いている。

主要指数(8月21日終値、米国時間)

指数終値前日比
ダウ工業株30種平均53,277.01ドル+517.80ドル(+1.0%)
S&P5007,674.37+33.21(+0.4%)
ナスダック総合指数26,180.45+113.29(+0.4%)

NYSE(ニューヨーク証券取引所)では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.68対1の比率で上回り、ナスダックでも1.85対1で値上がりが優勢だった。米取引所の合算出来高は149億1,000万株と、直近20営業日平均の166億2,000万株を下回り、閑散気味の商いとなった。

セクター動向(S&P500、11業種)

セクター騰落率
素材+2.2%
ヘルスケア+1.3%
金融+1.0%
公益事業-2.3%
エネルギー-0.2%

11業種のうち大半が上昇する中、金利低下・ドル安の恩恵を受けやすい素材セクターが+2.2%と最も高いパフォーマンスを示した。一方、金利上昇時に相対的な割高感が意識されやすいディフェンシブな公益事業セクターは-2.3%と下げが最も目立ち、エネルギーも原油相場の伸び悩みを受けて-0.2%とわずかに下落した。

ダウ平均の上昇を主導した銘柄

ダウ平均の上昇はゴールドマン・サックス(GS)、シスコシステムズ(CSCO)、メルク(MRK)が先導した。このほか、コインベース・グローバルなど暗号資産関連株が大幅高で推移し、指数全体の押し上げに貢献した。

主要個別銘柄の終値・騰落率

銘柄コード騰落率材料
ロビンフッド・マーケッツHOOD+13.7%ビットコイン急騰を受け暗号資産関連株として買われる
コインベース・グローバルCOIN+8.2%同上、ダウ平均の押し上げにも貢献
ストラテジーMSTR+6%ビットコインの大量保有で知られる同社にも資金流入
フリーポート・マクモランFCX+7.6%金・銅価格の上昇を追い風に
ロス・ストアーズROST+4.4%通期利益見通し引き上げ、四半期決算が予想上回る
ニューモントNEM+3.1%金価格上昇を受けて
ボストン・ビールSAM-2.6%CFO退任発表を嫌気
OSIシステムズOSIS-5.2%中東情勢の影響で納品遅延、売上高が予想未達

ビットコイン急騰と暗号資産関連株の急伸

ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)は+13.7%、コインベース・グローバル(COIN)は+8.2%と大幅高となった。背景にあるのはビットコイン価格の急騰で、この日は前日比+6.4%となり5月中旬以来の高値を付けた。1週間前の6万3,000ドル未満の水準から7万7,000ドル台まで上昇している。金利低下局面では金融システムを流れる資金が増えるとの見方から暗号資産が買われやすく、今週の米財務省による長期国債買い戻し発表が主な追い風となった。ビットコインの大量保有で知られるストラテジー(MSTR)も+6%となり、暗号資産関連株全般に資金が向かった。ワシントンでの暗号資産業界を支援する法制化への期待も引き続き材料視されている。

金価格急伸で鉱山株に買い

金価格は一時1オンス4,690ドルを付け、1週間前の4,440ドル未満から大きく水準を切り上げた。財務省の買い戻し発表がドルの対他通貨での価値を弱めたことが、金価格の押し上げ要因となった。これを受けてニューモント(NEM)が+3.1%、フリーポート・マクモラン(FCX)が+7.6%と、金・銅の両方を手掛ける鉱山株が特に大きく買われた。素材セクター全体の上昇(+2.2%)も、この鉱山株の物色が主導した面が大きい。

小売決算:ロス・ストアーズ好決算、OSIシステムズは中東情勢が響く

オフプライス小売のロス・ストアーズ(ROST)は、直近四半期の増益・増収がアナリスト予想を上回り+4.4%となった。通期の利益見通しも引き上げている。CEOのジム・コンロイ氏は新規顧客の増加と既存顧客の関心の高まりを指摘したほか、関税還付の恩恵も受けたと説明している。

一方、空港など向けセキュリティ検査機器を手掛けるOSIシステムズ(OSIS)は、直近四半期の売上高が市場予想を下回り-5.2%と急落した。CEOのアジャイ・メーラ氏は「中東紛争の影響で一部の予定されていた納品時期がずれ込んだ」ことが響いたと説明しており、地政学リスクが個別企業の業績に直接影響を及ぼした一例となった。

その他の動き

サミュエル・アダムスやドッグフィッシュ・ヘッドを手掛けるボストン・ビール(SAM)は、最高財務責任者(CFO)の退任と暫定後任の発表を受けて-2.6%となった。

経済指標:サービス業PMIが約2年ぶりの高水準

S&Pグローバルが21日発表した8月のサービス業PMI(購買担当者景気指数)速報値は56.8となり、2024年12月以来の高水準となった。景気の底堅さを示す内容として、株式市場の追い風の一つとなった。

日本株ADR(21日)

同日発表された日本株ADR(米国預託証券)は売り買いが交錯した。この日はダウ平均が上昇した一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は相対的に上昇幅が小さく、方向感が出にくい展開だった。下落率上位には川崎汽船(コード:MSLOY、日本終値比-19.18%)、日本郵政(コード:JPPHY、同-8.52%)が並んだ。ADRは現地の需給や為替の影響を受けやすく、日本株本体の値動きと直接連動しない点には留意が必要。

GAFAM(大型ハイテク5社)の動き

銘柄コード騰落率
アップルAAPL-0.90%
マイクロソフトMSFT横ばい圏(データ限定的)
アルファベット(グーグル)GOOGL/GOOG横ばい圏(データ限定的)
アマゾン・ドット・コムAMZN-1.01%
メタ・プラットフォームズMETA週間ベースで-7%(週間データ)

この日はダウ平均・S&P500・ナスダックがそろって反発した一方、GAFAMを中心とする大型ハイテク株は相対的に軟調だった。アマゾン(-1.01%)とアップル(-0.90%)がダウ平均・S&P500構成銘柄の中でも値下がり上位に位置し、指数の上昇はゴールドマン・サックス、ユナイテッドヘルス、アメリカン・エキスプレスといった非ハイテク系の大型株が主導する形となった。

週間ベースでは、半導体・AIインフラ関連の売りが続いており、インテル、AMD、シーゲートは週間で約10%安、メタ・プラットフォームズとブロードコムも週間で約7%安になる見通しとなっている。ウォルマートも決算の失望から週間で10%安となるなど、大型株の間でも明暗が分かれた1週間となった。半導体・AIハイパースケーラー株全般が金利上昇と共に上値の重い展開を続けており、来週26日に予定されるエヌビディアの決算が、この流れに変化をもたらすかが焦点となる。

その他の個別材料

銘柄コード騰落率材料
ゴールドマン・サックスGS+1.69%ダウ平均上昇の主導株の一つ
ユナイテッドヘルス・グループUNH+1.48%ダウ平均上昇の主導株の一つ
アメリカン・エキスプレスAXP+1.46%ダウ平均上昇の主導株の一つ
ボーイングBA-0.53%ダウ平均構成銘柄の値下がり上位
マーベル・テクノロジーMRVL-6%8月27日の決算発表を控えた機関投資家のポジション調整・利益確定売り
テラダインTER-4%弱ベアードが投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げ、バリュエーション懸念と2028年までの成長材料不足を指摘
アップラビンAPP-2.3%パイパー・サンドラーが目標株価を385ドルから325ドルに引き下げ、第2四半期決算後の成長持続性に懸念
MKSインスツルメンツMKSIプラス圏好調な第2四半期決算を発表
フラワーズ・フーズFLO-5.7%第2四半期決算が期待外れ
チャーチ・アンド・ドワイトCHD-4%弱第2四半期決算が予想未達

来週にかけての注目点

投資家の関心は来週、半導体大手エヌビディア、インテュイット、セールスフォース、クラウドストライクなどのソフトウエア企業の四半期決算に向かう。特にエヌビディアは26日に決算発表を予定しており、AIブームの持続性を占う最大の材料として市場の注目を集めている。また、来週発表予定の7月個人消費支出(PCE)物価指数と、ジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が行う基調講演の内容も、金融政策の先行きを見極める上で重要な材料となる。


本レポートは2026年8月21日(米国時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。

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