日本市場レポート:長期金利が一時3.0%と30年ぶり水準、日経平均は96円安も内需・資源に資金シフト(2026年9月1日)

Daily Market News

サマリー

9月1日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比96円59銭(-0.15%)安の66,215.34円で取引を終えた。前日31日の米国市場が米・イラン紛争激化を嫌気して続落した流れを受け、寄り付きから売りが先行し、下げ幅は一時735円32銭(65,576.61円)まで拡大した。

国内の長期金利(新発10年物国債利回り)が日中に一時3.000%と1996年9月以来約30年ぶりの水準まで上昇したことも、AI・半導体関連株を中心に投資家心理の重荷となった。

もっとも、売り一巡後は韓国総合株価指数(KOSPI)が上昇に転じたタイミングで日経平均先物への買いが断続的に入り、下げ幅を急速に縮小。金利上昇を背景に資金が半導体株から銀行株・内需・資源関連へシフトし、一時プラスに転じる場面もあった。

TOPIX(東証株価指数)は前日比25.57ポイント(+0.62%)高の4,181.86と9営業日続伸しており、「下げたのは指数だけ」という状況だった。

主要指数(9月1日終値)

指数終値前日比
日経平均株価66,215.34円-96.59円(-0.15%)
TOPIX4,181.86pt+25.57pt(+0.62%)
東証グロース市場250指数800.09pt-11.95pt(-1.47%)
  • 寄り付き:65,885.47円(-426.46円)
  • 日中安値:65,576.61円(-735.32円)
  • 東証プライム市場の売買高:22億7,826万株、売買代金:7兆5,016億円(前日比減少)
  • 東証プライム市場の値上がり比率:54.3%、値下がり比率:42.5%
  • 日経平均構成銘柄の騰落数:値上がり170銘柄、値下がり55銘柄、変わらず0銘柄

長期金利が30年ぶり高水準:「金利3%時代」への警戒

この日最大の材料は、新発10年物国債利回りが日中に一時3.000%まで上昇し、1996年9月以来およそ30年ぶりの水準に達したことだった。午後は2.990%前後で推移している。金利の絶対水準そのものよりも上昇スピードが重要で、直近のように1日0.08%程度のペースであれば配当利回りを意識した内需株への資金シフトで吸収できる範囲だが、3%を明確に上抜けて3.2%・3.3%と加速するようだと、配当利回りで買われてきた内需株や借入負担の重い電力株も総崩れになりかねないとの指摘も出ている。

前日31日の米国市場でダウ工業株30種平均が374.09ドル安の53,185.90ドル、ナスダック総合が31.53ポイント安の26,370.89とそろって続落したことも、東京市場の重荷となった。対イラン紛争の激化を嫌気した米国株安と、日米双方の長期金利上昇が重なり、朝方はAI・半導体関連銘柄を中心に売りが波及した。

日経平均寄与度:押し上げ・押し下げ上位銘柄

押し上げ上位

順位銘柄コードコメント
1ソフトバンクグループ9984金利上昇下でも押し目買いが優勢
2キオクシアホールディングス285A半導体メモリ関連として買い戻し
3豊田通商8015原油高を手掛かりに資源・商社株へ資金シフト
4KDDI9433通信株として底堅く推移
5三菱商事8058資源関連商社として買われる

押し下げ上位

順位銘柄コードコメント
1東京エレクトロン8035寄与度下位トップ、ファーストリテイリングと2銘柄で約242円押し下げ。金利上昇下でPER高水準への割高感が意識される
2ファーストリテイリング9983値がさ株として指数を押し下げ
3アドバンテスト6857半導体関連の一角に利益確定売り
4リクルートホールディングス6098サービス業セクターの一角も軟調
5フジクラ5803データセンター関連にも戻り売り

東京エレクトロン1銘柄で日経平均を約191円押し下げた。金利上昇を背景に資金が半導体株から銀行株などへシフトする動きが、相場を下支えする一因ともなった。

業種別動向

東証33業種では電気・ガス業(+4.28%で上昇率首位)、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼、卸売業などが上昇した一方、サービス業、非鉄金属、小売業、機械、金属製品などが下落した。原油高を手掛かりに資源・エネルギー関連や商社に買いが入ったほか、内需や電力の一角にも資金が向かい、相場を下支えした。

東証プライム市場:値上がり率上位銘柄

順位銘柄コード上昇率材料
1住友化学4005+47.9円(+8.37%)「AIデータセンター」と「フィジカルAI」を支える次世代技術を発表

住友化学は、AIデータセンター向けおよびフィジカルAI(ロボティクスなど実世界で動作するAI)向けの次世代技術を発表したことが好感され、東証プライム市場の値上がり率1位となった。化学メーカーがAI関連テーマで物色されたことは、AI投資ブームの裾野が半導体・電子部品だけでなく素材産業にも広がっていることを示唆している。

話題株ピックアップ(夕刊)

BASE、壱番屋、精工技研などが夕刊の話題株として取り上げられた。壱番屋は前日31日に株式非公開化を巡る報道で急騰しており、この日も関心が持続している。

テクニカル分析:短期シナリオを巡る攻防

テクニカルアナリストの分析では、日経平均は75日移動平均線を下回って推移しており、同水準が引き続き上値抵抗線として意識されている。8月25日の安値(64,609円)が押し目底として機能するか、あるいは7月29日の安値(60,448円)以下へ下げ余地のある下降トレンドに入っているかが、目先のシナリオを分ける分水嶺として注目されている。上値については8月27日の高値(66,954円)、下値については前日31日安値(64,832円)が当面の節目として意識される。

東証グロース市場

東証グロース市場250指数は前日比11.95ポイント(-1.47%)安の800.09と反落した。プライム市場でTOPIXが9日続伸する一方、グロース市場は金利上昇の影響をより強く受けた形となった。

為替市場

原油高を受けて資源関連株に資金が向かう一方、為替市場では日米の金利差を意識した動きが続いているとみられる。中東情勢の緊迫化に伴う原油高が、円安・インフレ双方の思惑を通じて相場のテーマとなっている。

アジア市場

韓国総合株価指数(KOSPI)は寄り付き後軟調だったが、途中で上昇に転じ、この動きが日経平均先物への買い戻しを誘う一因となった。半導体関連というテーマで日韓市場が連動する構図が、この日も確認された。

来週にかけての注目点

今夜(日本時間9月1日23時)に発表される米ISM製造業景況指数の内容が、当面の相場のトーンを占う。長期金利が3.000%を明確に上抜けて上昇加速する場合、内需株・電力株を含めた全面安のリスクが意識される一方、現状程度のペースであれば配当利回りを意識した資金シフトの流れが続く可能性がある。米・イラン情勢の展開、原油価格の動向、9月のFOMCに向けた金融政策観測も引き続き焦点となる。


本レポートは2026年9月1日時点の報道・市場データに基づいて作成しています。個別銘柄への言及は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。

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