サマリー
8月18日の為替・商品市場は、米・イラン間の戦闘終結に向けた覚書(MOU)の期限を巡る協議の行き詰まりを最大の材料に大きく動いた。イランによるタンカー拿捕報道やトランプ大統領の強硬発言を受けて供給混乱の長期化懸念が強まり、原油価格が急伸。これに連れてドル買い・円売りが進行し、ドル円は節目の160円が視野に入る水準まで上昇した。安全資産である金・銀も、地政学リスクの高まりを背景に続伸している。
為替(ドル円)
- 前日17日終値:終値ベースで約+0.1%、一時159.60円付近まで上昇(日米協調円買い介入が行われた7月31日以来の高値)
- 18日早朝〜午前:159.00円近辺でもみ合い。NY時間の米指標改善(8月NY連銀製造業景気指数、8月NAHB住宅市場指数がいずれも予想上振れ)と原油高を受けたドル買いで、一時159.596円まで上昇
- 想定レンジ:158.500〜160.200円(外為どっとコム総研)
原油高は日本の貿易赤字拡大を通じた円安要因として市場に認識されている。今週20日発表予定の7月の貿易収支(通関ベース)は6,490億円の赤字が見込まれており、6月の4,069億円から拡大する見通し。日銀の早期利上げ観測が円買い材料として意識される一方、原油高由来のファンダメンタルズ的な円売り圧力がそれを上回りやすい地合いとなっており、市場では節目の160円突破を試す可能性が指摘されている。
原油
- WTI原油先物(9月限)終値:1バレル84.50ドル(前日比+2.10ドル、+2.55%)
- 北海ブレント先物:1バレル90ドル台に乗せ、約3週間ぶりの高値
- ドバイ原油スポット:1バレル91.8ドル台、4週間ぶり高値
米・イランの戦闘終結に向けた覚書の期限(8月16日)を巡り、双方の説明が食い違うなど交渉が行き詰まっており、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化するとの見方が原油価格を押し上げている。トランプ大統領はイランに対する強硬姿勢を強めており、供給正常化の見通しが立ちにくい状況が続いている。
金・銀
- NY金先物(12月限)終値:1オンス4,473.70ドル(前日比+36.40ドル、+0.82%)、続伸
- NYプラチナ先物(10月限)終値:1オンス1,788.90ドル(前日比+32.00ドル)、続伸
- NY銀先物(9月限)終値:1オンス66.231ドル(前日比+1.123ドル)、大幅続伸
ドル安が一服する場面では利益確定売りも出たが、米国によるイラン経済封鎖強化観測など地政学リスクの高まりを背景に、安全資産としての金buy優勢の展開が続いた。銀も金との相関性の高さから大幅続伸となっている。
市場の見立て
為替・商品市場を通じて共通するテーマは、米・イラン情勢の緊迫化とそれに伴う原油供給不安だ。原油高はインフレ再燃懸念を通じて債券・株式市場にも波及しており(同日、日本の長期金利は30年ぶり高水準を更新、日経平均は大幅反落)、為替・商品・株式・債券の各市場が地政学リスクという共通の変数で連動する展開となっている。
来週にかけての注目点
米・イラン協議の進展有無、ホルムズ海峡の航行状況、原油価格の高止まりが続くかどうかが最大の焦点。ドル円は節目の160円を試す可能性がある一方、当局による円安牽制や為替介入への警戒感も引き続き意識される局面だ。20日発表の日本の貿易収支や、21日発表の米7月住宅着工件数・建設許可件数などの経済指標も注目される。
本レポートは2026年8月18日時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。



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記事内のデータ・数値は2026年8月時点の情報をもとにしています。
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