サマリー
8月18日(火)のニューヨーク株式市場は、主要3指数がそろって下落し3営業日続落となった。中東情勢の緊迫化に伴う原油高がインフレ再燃懸念を強めたことに加え、世界的な長期金利の急上昇を受けて相場をけん引してきた半導体・AI関連の成長株が売られ、指数を押し下げた。ナスダック総合はハイテク株比率の高さが災いし1%超の下落となった。
主要指数(8月18日終値)
- NYダウ工業株30種平均:53,343.40ドル(前日比-116.38ドル、-0.22%)
- S&P500:7,691.76(前日比-53.30、-0.69%)
- ナスダック総合指数:26,289.71(前日比-355.20、-1.33%)
- VIX指数(恐怖指数):15.88(前日比+0.69、+4.54%)※先物ベース
3営業日続落となり、8月13日の最高値(S&P500 7,798.99)からの下げ幅を広げている。
半導体株急落が指数を圧迫
この日は半導体関連株への売りが相場全体を先導した。世界的な長期金利上昇を受けて、これまで相場をけん引してきたAI関連の成長株に利益確定売りが強まり、ナスダック総合はダウ・S&P500を上回る下落率となった。米国債市場では30年債利回りがNY時間に一時5.337%まで急伸し、2007年以来約19年ぶりの高水準をつける場面もあった(引けにかけては5.28%台まで低下)。10年債利回りも4.72%まで上昇した。
金利上昇の背景:財政懸念とAI投資向け社債発行
長期金利の上昇は複合的な要因による。米財政赤字への懸念や国債発行の増加に加え、ハイパースケーラー(大手クラウド事業者)によるAI投資関連の巨額社債発行が債券需給の悪化懸念につながっているとの指摘が出ている。米財務省が公表した国際資本収支統計によると、海外投資家による米国債保有額は6月に9兆2,990億ドルと5月の9兆3,710億ドルから減少しており、最大保有国である日本も保有額を減らしている。
金利上昇は米国に限らず世界的な動きとなっており、フランス国債利回りは2008年以来、ドイツ国債利回りも2011年以来の水準まで上昇した。
中東情勢と原油高
トランプ大統領がイランに対しこれまで以上の経済的圧力をかける意向を示すとともに、ホルムズ海峡を巡る米国の方針に干渉すればオマーンを「爆撃する」と警告したと報じられ、地政学リスクが再燃した。レバノンでも新たな戦闘が発生したと伝わっている。これを受け、北海ブレント原油先物は1バレル91ドル、WTI原油先物は84ドル台まで上昇。米国の戦略石油備蓄(SPR)が1982年(レーガン政権期)以来の低水準まで落ち込んでいることも、供給余力への懸念として意識されている。
個別銘柄の動き
- メタ・プラットフォームズ(META):-3.54%
- ナイキ(NKE):-4.03%
- モービルアイ・グローバル(MBLY):アナリストの投資判断引き上げを受け+3.48%
- ワークデイ(WDAY):アナリストの投資判断引き下げを受け-3.77%
- L3ハリス・テクノロジーズ(LHX):CEO退任報道を嫌気し-4.61%
なお前日17日には、AI企業アンソロピックの第2四半期売上高が前年同期比14倍超に拡大したと伝わり、AI需要拡大への期待から半導体株の支えとなっていた。18日はその反動もあり、AI関連株への利益確定売りが目立つ結果となった。
決算シーズンは終盤へ
好調だった決算発表シーズンはピークを越えつつあり、この日はホーム・デポ(HD)、トール・ブラザーズ(TOL)、クラーナ(KLAR)などの決算発表が予定されていた。ここまでの決算全体は市場予想を上回るペースで推移しており、株式相場の下支え要因となってきた。
来週にかけての注目点
中東情勢の展開と原油価格、そして世界的な長期金利の動向が引き続き相場の最大の変数となる。金利上昇が「良いインフレなき利上げ観測」から「インフレ再燃・財政悪化を伴う金利上昇」へと市場の受け止め方が変化しつつあり、特にバリュエーションの高いAI・半導体関連株はボラティリティが高まりやすい局面が続きそうだ。
本レポートは2026年8月18日(現地時間)の取引終了時点の報道・市場データに基づいて作成しています。投資判断は自己責任で行い、必要に応じて金融専門家にご相談ください。



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記事内のデータ・数値は2026年8月時点の情報をもとにしています。
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