スマホゲームの攻略情報を調べていて、一度は「GameWith」というサイトにたどり着いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。実はこのGameWith、東京証券取引所スタンダード市場に上場している立派な企業です。銘柄コードは6552。ゲーム攻略サイトの運営だけでなく、プロeスポーツチームの運営や、ゲーマー向けインターネット回線サービスまで手がけている、意外と幅広い事業を持つ会社なのです。
今回は資産運用をこれから始めたいという方に向けて、このGameWithという会社を題材に、個別株の見方や決算の読み方を一緒に学んでいきたいと思います。普段から利用しているサービスを提供している会社だからこそ、決算の数字がぐっと身近に感じられるはずです。専門用語もできるだけかみ砕いて説明していきますので、株式投資が初めての方も安心して読み進めてください。
- GameWithという会社が具体的に何で収益をあげているか
- 最新決算で起きた「黒字転換」の中身と、そこから読み取れること
- PERやPBRなど株価指標の基本的な見方
- 小型株ならではの値動きの特徴と、投資する際に意識したいリスク
GameWithはどんな会社?4つの事業をやさしく整理
GameWithという社名を聞くと、多くの方はゲーム攻略サイトを思い浮かべると思います。実際にその通りで、会社の収益の柱は今もゲーム情報メディアです。ただし、上場企業としてのGameWithは、それ以外にも複数の事業を組み合わせて成長を目指しています。ここでは主な4つの事業を順番に見ていきます。
1. メディア事業
ゲーム攻略情報サイト「GameWith」の運営が中心となる事業です。人気スマホゲームの攻略記事やレビュー、動画コンテンツなどを掲載し、サイトを訪れたユーザーに表示される広告や、ゲーム会社とのタイアップ広告から収益を得ています。いわば会社の屋台骨にあたる事業で、直近の決算では売上高23億1600万円と、全体の半分以上を占める規模になっています。
2. eスポーツ・エンタメ事業
プロeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe(デトネーション フォーカスミー、通称DFM)」の運営を行っている事業です。国内外の大会に出場し、その賞金収入やスポンサー収入などが売上に貢献しています。直近の決算ではこの事業の売上高が前期比53パーセントも伸びており、会社全体の成長をけん引する存在になっています。
3. ISP事業
ゲーマー向けの光回線サービス「GameWith光」を提供している事業です。オンラインゲームは通信の安定性が重要になるため、ゲームを快適に楽しみたいという層に向けた回線サービスというユニークな切り口が特徴です。月額料金で継続的に収益が入ってくるストック型のビジネスであるため、業績が安定しやすいという特徴があります。
4. その他事業
NFTゲーム「EGGRYPTO(エグリプト)」の運営など、新しい領域への挑戦を行っている事業です。まだ売上規模としては大きくありませんが、今後の成長の種としてどう育っていくかが注目されています。
このように、GameWithは「ゲーム好きが集まる場所」を軸にしながら、メディア、eスポーツ、通信、ブロックチェーンゲームという複数の切り口で事業を広げている会社だといえます。一つの事業に依存しすぎない構造を作ろうとしている点は、初心者が会社を見るうえでも押さえておきたいポイントです。
最新決算をチェック|2026年5月期は黒字転換
2026年7月15日に発表された2026年5月期(2025年6月から2026年5月までの1年間)の通期決算では、売上高が40億4700万円となり、前の期に比べて17.2パーセント増加しました。さらに、本業のもうけを示す営業利益は1億100万円となり、前の期の1億9600万円の赤字から黒字に転換しています。財務活動なども含めた経常利益は1億1600万円、最終的に手元に残る当期純利益は2500万円という結果でした。
| 項目 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 約34億5000万円 | 40億4700万円 |
| 営業利益 | 1億9600万円の赤字 | 1億100万円 |
| 経常利益 | 2億700万円の赤字 | 1億1600万円 |
| 当期純利益 | 赤字 | 2500万円 |
初心者の方向けに用語を整理しておきます。売上高は会社が商品やサービスを提供して得た金額の合計です。営業利益は、そこから人件費や広告費など本業にかかった費用を差し引いた、本業でどれだけ稼げたかを示す数字です。経常利益は営業利益に加えて、利息の受け払いなど財務面の損益も含めた数字で、会社の通常の稼ぐ力をより広く表します。そして当期純利益は、そこから税金なども差し引いた、最終的に会社に残る利益です。
セグメント別に見ると、メディア事業は売上高23億1600万円で前期比9.1パーセントの増加、eスポーツ・エンタメ事業は売上高11億6200万円で前期比53パーセントの増加、ISP事業は売上高4億3100万円と契約数の増加により成長が続いています。特にeスポーツ・エンタメ事業の伸びが、今回の黒字転換に大きく貢献した形です。
株価指標から見る投資のポイントと注意点
決算が発表された2026年7月15日時点の株価は219円前後でしたが、その後170円前後まで下落する場面も見られました。黒字転換という前向きな内容にもかかわらず株価が下がった背景には、2027年5月期の業績予想を新規事業への先行投資を優先する方針から「未定」としたことによる先行きの不透明感や、市場が事前に見込んでいた水準をやや下回る内容だったことが影響したと考えられます。
ここで押さえておきたいのは、株価は「良いニュースかどうか」だけでなく「市場が期待していた水準と比べてどうだったか」で動くという点です。黒字転換自体は前向きな変化ですが、投資家がそれ以上の期待をしていた場合には、株価が下落することもあります。この考え方は他の銘柄を見るときにも役立ちますので、ぜひ覚えておいてください。
| 指標 | 数値の目安 | 意味 |
|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 約100倍前後 | 利益に対して株価が割高か割安かの目安 |
| PBR(株価純資産倍率) | 約1.1倍 | 会社の純資産に対して株価が何倍か |
| ROE(自己資本利益率) | 1パーセント未満 | 自己資本をどれだけ効率よく利益に変えているか |
| 自己資本比率 | 約76〜80パーセント | 資産のうち借金に頼っていない割合 |
| 配当利回り | 0パーセント(無配) | 株を持っているだけでもらえる分配金の割合 |
PERは、利益に対して株価が何倍まで買われているかを示す指標で、一般的には数値が高いほど割高とされます。ただし今回のGameWithのように黒字転換したばかりで利益の絶対額がまだ小さい会社は、PERの数値が跳ね上がりやすいという特徴があります。PERだけを見て「割高だから危ない」と判断するのではなく、なぜその数値になっているのかという背景まで確認することが大切です。
PBRは、会社を今すぐ解散したときに残る価値(純資産)に対して、株価が何倍まで買われているかを示す指標です。1倍が一つの目安とされ、1倍を上回っていれば市場が将来の成長を織り込んで評価していると考えられます。ROEやROAはまだ低めの水準にとどまっており、収益性そのものは改善の途上にあるといえるでしょう。一方で自己資本比率は76パーセントを超える高い水準を維持しており、実質的な無借金経営を続けている点は財務的な安定感として評価できます。ただし配当は2026年5月期、2027年5月期ともに0円の予定であり、成長投資を優先する方針が読み取れます。
具体例で考える|もしGameWith株を購入するとしたら
日本の株式は多くの場合100株単位(単元株)で取引されます。GameWithも単元株数は100株ですので、株価が170円程度であれば、100株を購入するのに必要な金額はおよそ1万7000円程度(別途手数料がかかります)という計算になります。数万円あれば挑戦できる価格帯であるため、少額から個別株投資を試してみたいという初心者にとってはハードルが低い銘柄の一つといえます。
購入イメージ
株価170円×100株=約1万7000円(手数料別)
時価総額の目安
約30億円前後の小型株
ただし、GameWithの時価総額は30億円前後と、市場全体から見ると小型株に分類されます。小型株は取引される株数が少ない分、大きな資金が動いたときに株価が大きく上下しやすいという特徴があります。実際に決算発表の前後だけでも、株価が1割前後動く場面が見られました。値動きの幅が大きくなりやすいという点は、購入を検討するうえであらかじめ理解しておきたいポイントです。
初心者が個別株を検討するときの3つのステップ
-
1
事業内容を理解する
その会社が何で収益をあげているのか、どの事業が伸びているのかを確認します。GameWithであれば、メディア、eスポーツ、ISP、その他事業という構成を把握することがここにあたります。 -
2
決算の推移を確認する
一回だけの黒字なのか、複数期にわたって改善が続いているのかを確認します。単月や単四半期だけでなく、複数の決算期を並べて見る習慣をつけると判断の精度が上がります。 -
3
株価指標を同業他社と比べる
PERやPBRは単独で見るよりも、同じ業界の他社と比較することで、割高か割安かの感覚がつかみやすくなります。
まとめ|GameWith株を見るときに押さえておきたいポイント
- ゲーム攻略メディアを中心に、eスポーツ、ISP、NFTゲームという複数事業を持つ会社です
- 2026年5月期は営業利益・経常利益ともに黒字転換を達成し、特にeスポーツ・エンタメ事業の伸びが大きく寄与しました
- 自己資本比率76パーセント超と財務基盤は安定していますが、配当は0円の方針です
- 時価総額約30億円の小型株であり、値動きが大きくなりやすい点には注意が必要です
- 2027年5月期の業績見通しは新規領域への先行投資を理由に未定とされており、今後の実行力が注目されます
身近なサービスを展開している会社だからこそ、決算の数字やニュースが自分ごととして理解しやすいという良さがあります。今回のGameWithのように、黒字転換というポジティブなニュースが必ずしも株価上昇に直結しない例を知っておくことは、他の銘柄を分析するときにもきっと役立つはずです。個別株投資では、一つの情報だけで判断せず、事業内容、決算の推移、株価指標を組み合わせて総合的に見る習慣を身につけていきましょう。
本記事は情報提供を目的として作成したものであり、特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。株式投資には元本割れを含むリスクがあります。投資の最終判断は、企業が開示する最新のIR情報等をご自身で確認のうえ、自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
記事内の数値は執筆時点で公開されている情報にもとづいており、その後の株価変動や業績修正などにより内容が変わっている可能性があります。最新情報は証券会社のサイトや企業の公式IRページなどでご確認ください。





【免責事項】
記事内のデータ・数値は2026年7月時点の情報をもとにしています。
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