世界でいちばん注目される政治家の運用成績表が、実は誰でも無料で読めます。アメリカの大統領は、法律にもとづいて自分の資産と売買の記録を公開する義務があるからです。2026年に公開された資料からは、8つの証券口座、約1,600社への投資、そして1年で2万件を超える売買という、常識では考えにくいポートフォリオの姿が見えてきました。この記事では、その中身を資産運用の初心者の方にもわかるようにほどいていきます。
お金の話は、数字だけを並べると急に遠い世界の出来事になります。けれど「あの人は何に、どれくらい、どんな順番でお金を入れているのか」という視点で見ると、驚くほど身近な教材になります。トランプ大統領のポートフォリオは、まさにその教材の宝庫です。
債券から株へのいきなりの方向転換、AI関連への集中、そして自社株1本に数億ドルが張り付いたままの含み損。教科書に出てくる分散投資の話も、集中投資の怖さも、全部この1つのポートフォリオの中に入っています。しかも金額が大きいので、良いところも危ないところも極端に見えて理解しやすいのです。
先にお伝えしておくと、この記事は特定の銘柄や投資手法をおすすめするものではありません。政治的な立場を応援したり批判したりするものでもありません。あくまで公開された資料と、複数の報道機関が分析した内容をもとに、初心者の方が自分の運用に活かせる考え方を取り出すことを目的にしています。
そもそも、なぜ大統領のポートフォリオが読めるのか
まず前提の話です。アメリカには「政府倫理法」(Ethics in Government Act、1978年制定)という法律があり、大統領をはじめとする高官は、自分の資産・収入・借入・売買の記録を政府倫理局(OGE)に提出することが義務づけられています。提出された書類はそのままインターネットで公開されます。
ここで出てくる用語を先にほどいておきます。
- 年次報告書(Annual Report)とは、1年分の収入と保有資産をまとめて提出する書類です。いわば年に1回の総まとめで、2025年分は2026年6月30日に公開されました。米国メディアの集計では、この年次報告はなんと927ページにおよびます。参考までに、バンス副大統領の同じ書類は17ページでした。
- 定期取引報告書(Periodic Transaction Report)とは、売買が発生したときに随時提出する書類です。原則として取引から30日以内に報告する決まりになっており、こちらを追うと「いつ何を買ったか」が時系列でわかります。
- STOCK法とは、2012年に成立した法律で、政府の高官が公にされていない重要な情報を使って売買することを禁じたものです。同時に、売買をすばやく開示することも求めています。
ただし、開示にはいくつかの大事なクセがあります。金額は「5万ドル超〜10万ドル」のような幅でしか書かれず、正確な金額はわかりません。また投資信託や米国債、不動産など、報告が免除される資産もあります。つまり公開資料は「かなり詳しいけれど、完全な家計簿ではない」という位置づけです。この点を頭に置いておくと、報道の数字を過大にも過小にも受け取らずに読めるようになります。
ポイント1 全体像を数字でつかむ。8つの口座と1,600社
では中身に入ります。2025年分の年次報告書によれば、トランプ大統領の投資口座は8つに分かれ、そこに少なくとも8億5,800万ドルの資産があり、およそ1,600社に持ち分がありました。前の年の同じ書類では少なくとも2億3,700万ドルでしたので、1年で口座の規模が大きくふくらんだことになります。
そして売買の回数です。ABCニュースの集計によると、2025年の1年間で2万1,000件を超える売買が行われていました。比較するとその異例さがはっきりします。1期目の初年度である2017年の報告書に載っていた株式の取引は86件、バイデン前大統領は在任期間を通じて合計13件でした。歴代の大統領は資産を売却したり、値動きの中身が見えにくい分散型の投資信託だけに絞ったりするのが一般的でしたので、今回のスタイルは大きく異なります。
| 項目 | 公開資料・報道から見える数字 | 初心者が注目したい点 |
|---|---|---|
| 証券口座の数 | 8口座 | 役割ごとに口座を分ける発想 |
| 口座内の資産 | 少なくとも8億5,800万ドル(前年は2億3,700万ドル) | 1年での増減の大きさ |
| 投資先の社数 | およそ1,600社 | 徹底した銘柄分散 |
| 2025年の売買件数 | 2万1,000件超 | 回転の速さはプロの運用スタイル |
| 2025年の総収入 | 約22億ドル(うち暗号資産関連が約14億ドル) | 投資以外の収入源の太さ |
| 運用に関わる金融機関 | CNBCの分析でJPモルガン、シュワブ、UBS、スティーブンスなどが8口座のうち少なくとも4つに関連 | 外部の専門家に任せる形 |
2025年は「地味な債券の年」だった
ここが意外に面白いところです。派手なイメージとは逆に、2025年の売買の主役は株式ではなく債券でした。報道を時系列で並べると、就任翌日の1月21日から8月1日までに約690件、少なくとも1億300万ドル分の債券を購入。8月末から10月初めにかけては175件超で少なくとも8,200万ドル分、11月中旬から12月下旬にも約1億ドル分を買っています。
ここで地方債(municipal bond)という言葉を説明します。これはアメリカの州や市、学校区、水道や病院などの公的な団体が資金を集めるために発行する借用証書のようなものです。特徴は2つあります。1つは、利息に連邦所得税がかからない仕組みがあるため、税率の高い富裕層にとって手取りが残りやすいこと。もう1つは、発行元が公的な団体なので、企業の株式にくらべると値動きがおとなしいことです。
買われた債券の中身も具体的です。学校区、公営の電気やガス、交通局、病院といった地方債が中心で、そこに社債が混ざります。報道で名前が挙がった発行企業には、ブロードコム、クアルコム、メタ、ホーム・デポ、CVSヘルス、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、JPモルガン、インテル、ボーイング、オキシデンタル・ペトロリアム、ゼネラル・モーターズ、ネットフリックス、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーなどがあります。
ここが学びどころ
資産が大きくなるほど、多くの人は「増やす」より「減らさずに利息を受け取る」方向に重心を移します。株の話題ばかりが目に入りますが、大きなお金の置き場所として債券がしっかり使われているという事実は、初心者の方にとって大きなヒントです。なお地方債の税制メリットはアメリカに納税する人向けの話で、日本の投資家にそのまま当てはまるものではありません。
株以外の資産も並んでいる
年次報告書には、証券以外の資産や収入もずらりと並びます。金の延べ棒を50万ドルから100万ドルの範囲で保有していることも記載されています。収入面では、アラブ首長国連邦の不動産事業からのライセンス料が2,100万ドル超、サウジアラビアの不動産会社から920万ドル、腕時計のブランドから470万ドル、ギターのブランドから3万5,920ドル。さらに1992年から加入している映画俳優組合の年金として月6,484ドル、放送タレント組合の年金として月727ドルを受け取っていることまで書かれています。
細かすぎて笑ってしまうような項目もありますが、ここには重要な構造があります。値動きする資産(株・債券・暗号資産)、実物資産(不動産・金)、そして働かなくても入り続けるライセンス料や年金という3層が同時に存在しているということです。相場が悪い年でも入ってくるお金があるので、株や暗号資産が下がったときに慌てて売る必要がありません。これは資産規模に関係なく真似できる考え方です。
ポイント2 2026年に起きた大転換。債券からAIへ
2026年に入ると、ポートフォリオの雰囲気が一変します。5月14日にOGEが公開した2つの書類(合計113ページ)によると、2026年1月から3月までの3か月間で3,642件の売買が行われました。対象は1,026の銘柄やファンド、買いが2,346件、売りが1,296件、金額の合計は幅で示された下限が2億2,000万ドル、上限が7億5,000万ドルです。営業日あたり60件を超えるペースで、現職の大統領としては前例のない規模と報じられました。
方向性も明確でした。メタ、アマゾン、マイクロソフトといった大型テック株を500万ドルから2,500万ドル規模で売却する一方、新しい資金はAI関連のハードとソフトに集中的に向かいました。報道と公開データから見えた顔ぶれを整理すると、次の3つのグループに分かれます。
| グループ | 内容 | 名前が挙がった企業の例 |
|---|---|---|
| AIの土台をつくる企業 | 半導体、サーバー、設計ソフト、製造受託 | エヌビディア、ブロードコム、インテル、AMD、テキサス・インスツルメンツ、シノプシス、ケイデンス、デル、ジェイビル |
| 企業向けソフトとクラウド | 会社の業務を動かすソフトウェア | オラクル、サービスナウ、アドビ、ワークデイ、PTC |
| 政策の影響を受ける企業 | 政府向けの分析、法執行機器、防衛 | パランティア、アクソン、ロッキード・マーティン、ゼネラル・ダイナミクス、ノースロップ・グラマン |
| 指数まるごと型のETF | 市場全体に広く分散する土台部分 | S&P500連動型、ラッセル1000連動型、S&P500の均等ウェイト型 |
ここでETFという言葉を説明します。これは証券取引所で株のように売買できる投資信託のことで、1本買うだけで数百社にまとめて投資できます。S&P500連動型なら、アメリカの代表的な500社に薄く広く投資したのと同じ効果になります。
この組み合わせは、運用の世界でいうコア・サテライト戦略の形をしています。コア(中核)はETFのような分散されたもので土台を固め、サテライト(衛星)として個別株で狙いを取る。土台があるので、狙いが外れても全体が崩れにくいという考え方です。個別株の派手な名前だけを追うのではなく、その下にETFという土台が敷かれていた点こそ、初心者が真似すべき部分です。
具体例として語られた「デル」の一件
この期間でもっとも話題になったのが、パソコンとサーバーのメーカーであるデルをめぐる出来事です。公開資料と報道を時系列で並べると、こうなります。
- 12026年2月10日、投資口座がデル株を100万ドルから500万ドルの範囲で購入。株価は126ドル前後でした。この時点では誰も知りません。3月にも買い増しが行われます。
- 25月8日、ホワイトハウスでの催しに創業者のマイケル・デル氏が出席。その場でトランプ大統領がデル製品を買うよう聴衆に呼びかけ、株価は当日12%前後上昇して上場来高値をつけました。同じ5月8日に、大統領は取引の報告書に署名しています。
- 33週間後、デルは市場予想を上回る決算を発表し、AI向けサーバーの通期売上目標を引き上げます。その翌日には国防省が同社との大型調達契約を発表しました。
- 4売買の記録が公開されたのは5月14日。つまり一般の投資家が「2月に買われていた」と知ったのは、株価が大きく動いた後でした。
ここで押さえておきたいのは、この順番そのものです。買う、発言する、材料が出る、そして最後に記録が公開される。開示制度があっても、外から見える情報はどうしても後追いになります。「有名人の売買を見て真似する」という発想が構造的に難しい理由が、この時間差にあります。
ちなみに、2026年1月から3月の売買で特に大きく値上がりしたとされるのは、AI向けの記憶装置を手がけるサンディスクや、AIの計算基盤を組み上げるペンギン・ソリューションズといった、日本ではあまり知られていない企業でした。話題の中心にある超大型株ではなく、その周辺で品不足が起きている領域に資金が入っていた形です。
ポイント3 真似できる部分と、絶対に真似できない部分
ここが記事のいちばん大事なところです。中身を知ると「同じものを買えばいいのでは」と考えたくなりますが、それは危険です。理由を3つに分けて説明します。
理由1 情報の立ち位置がまったく違う
大統領は、関税、輸出規制、政府調達、地政学といった市場を動かす情報がもっとも早く集まる場所にいる人物です。実際に報道では、政府がインテルへの出資を発表した後にインテル債やインテル株の購入が記録されていたこと、AI向け半導体の中国輸出に関する方針が動く時期にエヌビディアやAMDの購入が集中していたことなどが指摘されています。
これらが法律違反だと確定したわけではありません。ホワイトハウスは「資産は子どもたちが管理する信託に置かれており、利益相反はない」という立場で、大統領本人も「資金は外部のファンドが運用しており、自分は関与していない」と述べています。一方で監視団体や一部メディアは、この信託がブラインドトラスト(保有内容を本人が知らない完全独立型の信託)ではなく、本人が受益者である撤回可能な信託である点を問題視しています。実際、大統領は報告書に自ら署名して内容を証明しているため、保有内容を知り得る立場にあることになります。
評価は読む人によって分かれるところですが、投資判断の話に絞れば結論は1つです。情報が届く順番が違う人の売買結果を、後から真似して同じ成果を得ることはできません。
理由2 開示は「幅」と「遅れ」でできている
すでに触れたとおり、開示される金額は幅でしか示されません。「100万ドルから500万ドル」と書かれていても、実際に100万ドルなのか499万ドルなのかはわかりません。つまり、その銘柄が全体の何パーセントを占めるのかが計算できないのです。ポートフォリオを真似するには比率が必要なのに、その比率が公開資料からは復元できないという構造的な限界があります。
報告の速さにも論点があります。監視団体の分析では、2025年分の年次報告書に載った2万1,235件の取引が、30日以内という期限内には報告されていなかったと指摘されました。投資信託とその中身のように、そもそも迅速な報告が免除される取引も含まれるとされていますが、個別の株式や債券の売買も相当数あると同団体は述べています。
理由3 集中投資の重さを引き受けられるか
そしてもう1つ、初心者にとってもっとも実践的な教材がここにあります。大統領の資産のうち、単独でいちばん大きな上場株はトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(ティッカーはDJT、トゥルース・ソーシャルの運営会社)です。この1銘柄の値動きが、資産全体をどれだけ揺らしたかを見てみましょう。
年初1月2日の終値13.77ドル時点で、保有分の評価額はおよそ15億8,000万ドル。
6月下旬に株価が7ドル前後まで下がると、評価額はおよそ8億1,300万ドルへ。約半年で7億ドル以上、日本円にすれば1,000億円規模の含み損が生まれた計算になります。
その後7月から8月にかけて株価は10ドル前後まで戻し、評価額も再び10億ドル台をつけました。8月中旬の株価は9ドル台です。
注:保有比率は上場からの希薄化などで変動しており、報道によって4割台から5割程度と幅があります。評価額もその前提によって差が出ます。
この数字を見て、どう感じましたか。同じ半年間で、片方では債券の利息が静かに積み上がり、もう片方では1銘柄が半分近くまで値下がりしていたわけです。分散という言葉の意味が、これほどわかりやすく可視化された例はなかなかありません。
付け加えるなら、暗号資産についても同じ構図が見られます。年次報告書では、ミームコインに関するライセンス契約から6億3,500万ドル前後、暗号資産関連全体では約14億ドルの収入が記載されました。一方で、同じミームコインを買った一般の投資家の多くは大きな損失を抱えたと監視団体は指摘しています。仕組みをつくる側と、値上がりを期待して買う側では、損益の構造がまるで違うということです。
| 観点 | 公開資料から見えるスタイル | 初心者にとっての現実的な答え |
|---|---|---|
| 分散 | 約1,600社に分散 | 真似できる。インデックス型の投資信託やETF1本で同じ効果が得られる |
| 資産クラスの組み合わせ | 債券、株式、実物資産、ライセンス収入 | 真似できる。株だけに寄せず、値動きの違うものを混ぜる |
| 売買の頻度 | 年2万件超、営業日60件超のペース | 真似しない。手数料と税金、そして判断疲れで不利になる |
| 政策テーマへの先回り | 政策の動きと重なる時期の売買 | 真似できない。情報が届く順番がそもそも違う |
| 1銘柄への集中 | 単独最大の上場株が資産の柱 | 真似しない。半年で評価額が半減する余地を家計は許容できない |
| 暗号資産 | 発行や事業の側で大きな収入 | 真似できない。買う側と作る側は立場が違う |
この教材を自分の運用に落とし込む4つのステップ
ここまでの内容を、明日から使える形に変えていきます。金額の大きさは関係ありません。考え方だけを持ち帰ってください。
- 1まず土台を決める。資産の中心は、全世界株やS&P500に連動するインデックス型の投資信託やETFで組みます。1本買うだけで数百社から数千社に分散できるので、たった1回の手続きで「1,600社に分散」と同じ効果が手に入ります。日本にお住まいの方であれば、まずNISAの枠を使えるかどうかを確認するところから始めるとよいでしょう。
- 2次に値動きの違うものを混ぜる。債券は「利息を受け取りながら、株が下がる場面で全体の下げをやわらげる」役割を担います。金や不動産に投資する商品も、株とは違うリズムで動きます。何を混ぜるかより、全部が同じ方向に動くものになっていないかを確認することが大切です。
- 3個別株はサテライトの範囲に収める。気になるテーマや応援したい会社があるのは自然なことです。ただし全体の何パーセントまでなら、半分になっても生活と気持ちが揺れないかを先に決めておきます。上限を決めてから買うだけで、判断の質は大きく変わります。
- 4最後に「入り続けるお金」を意識する。年次報告書で目を引いたのは、ライセンス料や年金といった相場に左右されない収入の存在でした。給与、副業、配当、分配金。値動きと関係なく入ってくるお金があるほど、暴落時に売らずに済みます。運用でいちばん効くのは、実は売らずにいられる状態をつくることです。
やってみる価値があること
- 土台をインデックス型にする
- 値動きの違う資産を混ぜる
- 個別株の上限比率を先に決める
- 年に1回など、頻度を決めて見直す
やめておきたいこと
- 有名人の売買記録を後追いで真似する
- 話題になった銘柄に資産の大半を入れる
- 値上がりだけを期待して暗号資産に集中する
- ニュースを見るたびに売買する
よくある疑問に答えます
大統領が株を売買するのは違法ではないのですか
現職の大統領が株式を保有したり売買したりすること自体は禁止されていません。求められているのは報告です。ただし、公になっていない重要な情報を使った売買はSTOCK法が禁じています。問題は「重要な非公開情報」を証明することが非常に難しい点にあり、そのためこのテーマは法律論よりも制度設計の議論として扱われることが多くなっています。ホワイトハウスは一貫して利益相反はないという立場です。
同じ銘柄を買えば同じように儲かるのでしょうか
公開資料からは、どの銘柄をいくらの比率で、いつ売ったのかまでは正確にわかりません。金額は幅で示され、公開は取引の後です。同じ銘柄を買っても、買う値段と比率と売る時期が違えば結果はまったく別のものになります。実際、話題になった銘柄でも、公開されている記録の中には同じ期間に買いと売りが両方入っているケースがあります。外から見た「買っている」という印象と、実際の持ち高の変化は一致しません。
結局、いちばん驚くべき数字はどれですか
私が挙げるとすれば、8億5,800万ドルでも22億ドルでもなく、2万1,000件という売買回数と、13件という比較対象です。同じ「大統領のポートフォリオ」という言葉でも、中身の設計思想がここまで違い得るという事実が、この2つの数字に凝縮されています。そして家庭の資産運用にとって適切なのは、多くの場合13件に近い側です。
まとめ
- アメリカでは大統領の資産と売買が法律にもとづき公開され、2025年分の年次報告書は927ページに及んだ
- 8つの口座に少なくとも8億5,800万ドル、約1,600社に分散し、2025年の売買は2万1,000件を超えた
- 2025年は地方債や社債を中心とした債券の年で、2026年1月から3月に株式へ大きく方向転換した
- 買われた中心はAI関連の半導体、企業向けソフト、政策の影響を受ける企業で、土台には指数連動型のETFがあった
- 単独最大の上場株では、2026年前半に評価額が半分近くまで下がる場面があり、集中投資の重さが数字で表れた
- 真似すべきは分散と資産クラスの組み合わせ、真似できないのは情報の立ち位置と売買の速さ
世界でもっとも情報が集まる場所にいる人物のポートフォリオを覗いてみて、いちばん印象に残るのは、実は派手な部分ではありません。1,600社への分散、債券の静かな積み上げ、そしてETFという土台。もっとも凡庸に見える部分こそが、資産を守る仕事をしていました。
逆に、もっとも派手だった部分、つまり1銘柄への集中と話題性の高い資産は、大きな損失も生み出しています。派手さは結果のばらつきを大きくするだけで、成功を約束してはくれないということです。
ここまで読んでくださった方には、もう十分な材料があります。まずは自分の資産のうち、土台と呼べる部分が何パーセントあるかを数えてみてください。次に、同じ方向に動くものばかりになっていないかを確かめてください。それだけで、世界最大級のポートフォリオから学べることの大半は、あなたの運用に入ってきます。
この記事についての注意事項
本記事は米国政府倫理局(OGE)が公開した資料と、ABCニュース、CNBC、ロイター、NBCニュース、CBSニュース、米国の監視団体などの複数の報道・分析を照らし合わせてまとめたものです。開示される金額は幅で示されるため、評価額や比率には推計が含まれます。株価や評価額は2026年8月中旬時点の情報にもとづいており、その後変動します。
また、本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や商品の売買を推奨するものではありません。筆者は投資助言業者ではありません。最終的な投資判断はご自身で行い、必要に応じて資格を持つ専門家にご相談ください。




【免責事項】
記事内のデータ・数値は2026年8月時点の情報をもとにしています。
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